青城のマネは彼女が欲しい3

貪欲。 ページ36

『え、今年も？』




春高予選が終わって、矢巾さんたちが引退した。

代わりに主将になったのは、英。

なぜかはどうしても言ってくれなかった。

「俺も6番だったし、6番のヤツが次期主将って㊙ルールでも作ろうかな。」

なんて矢巾さんが呟いていたことなんて
俺は知らない。聞いてない。←

雲雀田さんからは、例のごとく、
ユース合宿のサポートの依頼だった。

もちろん




『分かりました！』




yesである。




国「みんな、集まって。」




英が声をかけると、みんなが集合する。

英が主将ってことについては、
思いのほか納得してくれた。

近藤曰く、

「国見さんでも金田一さんでも異論はありません！お二人とも、俺らの憧れですから！」

だそうで。

ちなみに英はこれを聞いて、

「俺の後輩まじ天使。」

とキャラ崩壊を起こした。




国「えーと、まず、美馬と結瀬。」

美・結「はい。」

国「白鳥沢で行われる、1年だけの擬似ユースに招集がかかってる。行くかどうかは任せる。」

『2人とも、予選で大活躍だったもんね。ちなみに、英も勇太郎も呼ばれたよ。』

美・結「行きます！！」




食い気味に言う2人に、英は
ふふ、と笑って、書類に参加を書き込む。




国「じゃあ決定。…あと、Aと咲倉。」

咲「『はい。』」

国「全国ユースに招集あり。Aは行くらしいけど、咲倉、どうする？」

咲「えっ、」

近「ぜんこっ！？」

結「ユース！？」

美「それって、ウシワカとかサクサとかいるって言う？」

『去年は飛雄と侑さんと星海さんも呼ばれてたね。』




興奮したように話す美馬たち。

しかし咲倉は、少し複雑そうな顔をして、
「少し考えさせてください」と言った。

みんなからブーイングを受けながら、
咲倉はあたしに話しかけた。




咲「A先輩。少し相談いいですか？」

『…うん。』




咲倉が何を思っているか、
少し分かった気がした。




咲「…俺は、美馬や結瀬みたいに試合にも出てないし、実力も才能もありません。……近藤が、呼ばれるべきだったんです。」

『咲倉は充分頑張ってきたよ。せっかくだから、セッターのひとにアドバイスでも、』

咲「それじゃあ意味ないんです！！！」




咲倉が叫ぶ。




咲「俺は、矢巾さんを見てトスを覚えたい。京谷さんに打ってほしい。…他の人じゃダメなんです。」

『咲倉。』




咲倉が、あたしの声に顔をあげる。




『それじゃ、前に進めないよ。』

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