引退？なにそれ ページ14
放課後の練習が終わると、
1年の子たちが話しかけてきた。
その顔には、少し不安が混じっていて。
近「A先輩…矢巾さんたちのことなんですけど……。」
『…あぁ。』
引退のことか。
確かに、去年と違って彼らが春高前に
引退する可能性は高い。
矢巾さんなんて、自分に自信がないから、
「俺なんて」って辞めていくのは簡単に想像がつく。
美「俺、こんなこと言うの変だと思うんですけど、もっと先輩とバレーがしたいです。」
咲「…俺も、矢巾さんに教わりたいことがまだ沢山あります。」
結「……一緒にいた期間が短すぎる。もっと彼らと一緒にいたい。」
『……うん。で、なんでそれを俺に言うかな。』
あたしが言うと、彼らは
驚いた顔であたしを見た。
『そりゃ、引退するかどうかは矢巾さん達が決めることだけど。キミたちがもっと一緒にバレーしたいって気持ちは、別に変じゃないよ。てか、それそのまま矢巾さんたちに言っておいでよ。俺を通す必要ない。』
美「でも、こんなワガママ、迷惑じゃ…。」
『後輩に必要とされて迷惑なんて思うワケないでしょー？』
彼らに1人一発ずつデコピンを喰らわす。
『……ですよねー、我らが主将さん？』
「「！？」」
知ってるんですよ、さっきから
そこで聞いてたことなんて。
そして必要とされている事実に
嬉しくて悶絶してることなんて。←
矢「言うなよA。言いづらいじゃん…。」
『どうせ、烏野にリベンジする気なんでしょう？わざわざ焦らす必要ありません。』
渡「お前なぁ……。」
京「俺はともかく、こいつらが春高前に引退するはずねぇだろ。」
矢・渡「お前もやめなかったくせに！！」
ここまでの会話で、
察した方も多いだろう。
1年たちも、また然り。
近「…それって。」
矢「当たり前だろ。このメンバーで行くぞ、春高。」
ニヤリ。矢巾さんは笑う。
と、クラスメイトが体育館に顔を出した。
「Aー！先生呼んでたよ。」
『え、もうそんな時間？』
矢「なんだ？」
『進路相談ですよ、面倒くさい。』
渡「あー…お前ももうそんな時期か。」
『ちゃちゃっと終わらせてきます。先に練習しててください！』
走り出すあたしに、矢巾さんが
矢「『ちゃちゃっと』はやめろよ『ちゃちゃっと』は！お前の将来かかってんだぞ！」
って叫んでるけど聞こえません。←
あたしにはもうやりたいことがあるんですもん。
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ちょこみんと(プロフ) - 北狐さん» ありがとうございます！ (2021年1月11日 17時) (
レス) id: bf2a4d63a6 (このIDを非表示/違反報告)
北狐 - 凄く面白かったです！及川さん、、、良いですね！！今更ですがとっても面白い作品に出会えて良かったです。お疲れ様でした！ (2021年1月11日 16時) (レス) id: 5618ba980a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこみんと | 作成日時：2020年6月6日 7時
