もう、無理。【HQ】【川西太一】

太 ページ16

.








｢はぁ…ただいまー｣









…返事がない、ということはお母さん達まだ仕事

か。









リビングに行くと、ソファーで太一が寝てい

た。









｢なんだ、帰ってきてたのか…｣









_____最近、太一が話し掛けてくれなくて正直

淋しいのが本音。









無意識に太一の傍に座っていた。




……顔がすごく透き通ってて不意にもときめいて

しまう。





___私たち血が繋がってない姉弟なら、別に





大丈夫だよね……?









唇に柔らかい感触が伝わる。








_________自分が可笑しい。




ゆっくり唇を離す。









｢…なにしてんだろ｣









_______今さら、好きって気付いても






もう遅いのに。









勝手に涙がぽろぽろ出る。









｢…姉ちゃん？｣








｢……たっ、いち…っ｣









私が泣いているのに気付いて驚いている。









｢______なんで泣いてんの、なんかあった？｣









なんでいっつも優しくしてくれるの。





｢…い、今さら、遅いけど聴いてくれるっ…？｣









太一は、うんと頷いてくれた。









｢私、太一が好き…っ、大好き｣









瞳は涙で溢れて太一の顔がぼやけて見える。









｢………俺も好きだよ、A｣









唇が優しく触れた。









end

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