好きってなんですか？

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楽屋に戻ると
高橋さんの姿がなく
電話しても繋がらない



『高橋さんなんでいないんだろう…』



話を聞いてもらおうと思っていたけど
高橋さんが見当たらなくて
今日はもう早く帰りたい気分だったし
メッセージだけ入れて帰ることにした


Aお疲れ様です

A用事があるので1人で帰ります




ほんとは用事なんてないけど…




タクシー使って帰ろうと思ったけれど
家までそんなに遠くはないし
歩きたい気分だったから
歩いて帰っていた



今は19時

少し前まではこの時間も明るかったのに
今ではもう真っ暗


今日は翔太さんに会えるからって
いつもより少しおしゃれしてきたけど
外は暗いしマスクもしてるからか
全くバレない


いつもなら目線を下げて歩くのに
辺りが暗いこともあり
顔を上げて周りを見ながら歩いていた




周りを見ればありがたいことに
私のポスターや看板がいくつもあって
あーあれは最近撮ったやつか
なんて思いながら歩いてると
私のポスターの横には
SnowManさんのポスターも
デカデカと貼られていて
よく見ればいろんな場所で貼ってあって
ほんとに人気なんだと改めて思った



その後ボーっと歩いてると

「あの…もしかして望愛ちゃんですか…？」


高校生くらいの女の子2人が
声をかけてきた


『はい、そーです！』

マスクを外して
ニコッって微笑むと
女の子達はやばいやばい！！
って声を抑えながら言ってて
その姿が可愛くてまた笑えてくる


「私達望愛ちゃんの大ファンなんです！」

「握手してもらってもいいですか？」



『ありがとー！
　もちろん！』

私が手を出すと
嬉しそうに2人とも手を握ってくれた


女の子からファンって言われるのは
本当に嬉しくてしかたない


だって…昔の私ではありえないから…


「あの…写真って…」


盗撮とかもあるこの時代
こーやってちゃんと聞いてくれる
この子達はほんとにいい子だなって
思ったけれど…


『ごめんなさい…写真はダメなの…
　えーっと…どーしようかな…
　あ、サインなら大丈夫だよ！』



私が断ると
少し悲しそうな顔をしていたけれど
私がサインの提案をすると
喜んでくれて
2人とも携帯ケースにサインをした


「本当にありがとうございました！
　ずっと大好きです！！」


『嬉しい…本当にありがとう！
　これからも応援してね！』



2人に手を振り別れた


『嬉しいな…』



頑張っててよかったと
本当に思えた出来事だった






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