好きってなんですか？

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Aside




「今日の撮影は以上になりまーす」




スタッフさんが撮影の終わりを告げる



『お疲れ様でした』



「望愛ちゃんこの後どう？」



スタッフさんから食事のお誘い


『この後ですか？すみません…
　まだ仕事がありまして…』


「そっかー残念。
　望愛ちゃん売れっ子で忙しいからね」


『いやいや全然ですよ…
　またぜひご一緒させてください((ﾆｺｯ』




頭を下げその場を後にして楽屋に戻る






私は早乙女 望愛 さおとめ のあ


幼い頃両親に捨てられ
児童養護施設で育ってきた。
そんな私は大人になり
両親が亡くなったことを知った。
その両親が多額の借金を残していた。
しかも私名義で……。
そんな多額の借金を抱え
途方に暮れていたところ
スカウトされ今にいたる



初めは
A○にでも出されるのかって
思ったけれど
お金を稼げるならなんでもいいと
話をそこそこに
今の事務所と契約した


初めは慣れない仕事に戸惑うこと
ばかりだったけれど
今はこの仕事が楽しくて仕方ない。



そんな私
早乙女望愛という名前。
実は
これは事務所の人が決めた名前。
いわゆる芸名ってやつ。


本名は

A A。



本当の私は
芸能界でキラキラと輝く望愛とは違って
すごく地味。いやほんとはそうじゃないけど
そうしている。目立ちたくないから…




芸能人って変装のために
メガネ、マスクしてるでしょ？
でもオーラで芸能人って気づかれる。
そんな人がほとんどだけど
私は一歩外に出ると
絶対に気づかれない。
気づかれた試しがない
それほど変装が上手…
というより地味な姿をしている




今日も仕事終わり
1人で街を歩いていた


オーラを消して
歩いてる私は
もちろんバレない。






街を歩くと
いろんなところで見る自分の顔。




CMしてる化粧品、ドラマ等の
ポスターや看板が至る所にある


「ねぇ望愛ちゃんのCMしてる
　化粧品買ったー？？」

「そー！買おーとしたら売り切れてたんだけど！
　ほんと予約すればよかった！」



ポスターを見ながら話してる女の子達がいて
その女の子達の横を通り過ぎようとした時
急に動き始めたから1人の女の子に
ぶつかってしまった


　
その反動で私は尻餅をついてしまい
おまけに鞄の中身が全部ひっくり返ってしまった



『いったぁ…』


「こっちのが痛いんですけど！
　はぁーまじ萎えるわ」

　

『すみません…』
　

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