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『明日10時に駅前に来て』
そう翔くんにメールをもらって、久しぶりにランチかな？なんてウキウキしていた。
いや、していたかった
わたしはあれから心から笑っていない
どんなに4人が楽しそうでも、和がいないあの家は私を笑わせてくれない。
｢わたしって最低だよな…｣
そんなことを思いながら駅に向かった。
｢ごめん、待った？｣
視線の先にはスーツ姿の翔くんがいた。
櫻井｢ううん、行こっか｣
着いた先は翔くんの通い付けの蕎麦屋さんだった。
蕎麦を食べている間は２人とも無口で、その空気が耐えがたかった。
櫻井｢あのさ｣
先に口を開いたのは彼だった。
｢うん｣
この目はきっと、軽い話じゃない
櫻井｢ニノ、今日婚約するらしい｣
｢そうなんだ｣
自分でも驚くほど平然にそう返せた。
櫻井｢それで、俺ずっとニノにあいつには言うなって口止めされてされてたから言えなかったんだけど｣
｢…ん｣
櫻井｢あいつの家、行ったなら分かると思うんだけど｣
やっぱりバレてたのか
櫻井｢あいつ、財閥の息子なんだよ。｣
どうりで家がでかいわけだ…
櫻井｢あいつ、見合いして家を継ぐって約束されてたんだよ｣
｢でも親のレールに乗りたくないって、シェアハウスに来たんだ｣
｢…そうだったんだ｣
櫻井｢あいつ、脅されてたらしいんだ。
約束守らなかった場合、大事な人がどうなるか分からないってさ｣
｢それで1人で静かに出てった｣
｢でも…なんで翔くんは知ってたの｣
櫻井｢俺頼まれたんだー｣
｢なに、を？｣
櫻井｢ニノに｢あいつのこと任せた｣って｣
｢もしかしてそれで私と……｣
櫻井｢誤解されちゃってるから言うけどね、俺、本気でモモのこと好きだったよ。本当は自分のものにしたい。…だけど、さ。 今モモの頭に浮かんでる人は俺じゃないでしょ？｣
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作者名：YAGI | 作成日時：2018年4月28日 23時
