甘えん坊の彼氏くん【国 見 英】

デレデレ ページ24

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『あきくーん』





俺は夢でも見ているのだろうか。





『ねぇ、あーきーくーんー！』





Aさんの方から甘えてくるなんて。




いつもはこんなに甘えてこないAさんがデレデレ。


一体全体何が起こっているのか飲み込めない俺は言葉を発することも出来ずにただただAさんに抱きしめられている。




……どういうことだこれ。






「……Aさん、今日はどうしたんですか？」



『んー？ただね、たまにはあきくんに甘えてみようと思っただけ』



「……そうなんですか」



『そーなんです！』





えへへっ、といつもより笑顔を浮かべるAさんの顔はいつもより数段幼く見える。




……待てよこれ。身に覚えがあるぞこの感じ。



まさかこれも夢……？





｢…………｣





試しに頬を叩いてみると痛みは無い。




なんだ、また夢か。



そう思うとなんだかがっかりしてしまい、途端に罪悪感が込み上げてくる。




いや。別に俺は普段のAさんが嫌な訳では無い。

ただこの俺の夢の中のAさんのようにもっと甘えてきてほしいだけだ。
やましい気持ちは一切ない。


……多分。









「って夢を見たのでAさん俺に甘えてきてください」



『また夢？！』









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