大丈夫。【鬼滅の刃】

参拾陸ノ舞 ページ38

『ここが……遊郭。』



宇髄「お前たちにはそれぞれ違う店に行ってもらう｡
須磨はときと屋。
雛鶴は京極屋。
まきをは荻本屋。
氷雪美は…京極屋に行ってくれ。」



『分かりました。
では、行って参ります。』


京極屋遣手「こんな美人が2人も！これでうちは安泰だねぇ。
さぁ、きっとすぐに客がつくよ。」


雛鶴「よろしくお願いします。」
『よろしくお願いします。』

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


《そして、数十日後……》


雛鶴「Aさん、お話が。」

『…私も話があります。




…蕨姫花魁は鬼、ですね。
それも上弦の。』

雛鶴「私は今、蕨姫花魁に怪しまれています。
ですから、毒を飲みここを出ます。」

『大丈夫なのですか…？！』

雛鶴「私も一応くノ一ですし、毒には多少慣れています。切見世に行けば天元様とも連絡が取りやすくなりますし……後を任せてしまって申し訳ないですが」

『…あとは任せてください。
幸い、私は蕨姫花魁に怪しまれてはいないようなので……。どうか、ご無事で。』



どうか、雛鶴さんが無事でいますように。



それから雛鶴さんは毒をのみ、病気だと偽って切見世へ行った。
だけど、連絡が一切来なくなってしまった。
そして須磨さんは足抜けしたという噂が立ちまきをさんとも連絡が取れなくなっていた。

『雛鶴さんたち……大丈夫かしら…』


蕨姫「どうしたのかしら？雛鶴がそんなに心配？」

『わ、蕨姫花魁……。』

蕨姫「いい？A。ここは遊郭、他人の心配をしていられる程安全な所では無いのよ？貴方はとても綺麗だし、きっと身請け話も来るでしょうね、だけど、気をつけた方がいいわよ？

鬼も出るしね。」



『鬼が…出るんですか、遊郭は。』

蕨姫「そうねぇ……


まぁ、貴方の目の前にも居るわよ？」


『……？！』


蕨姫「気付いてたわよぉ、貴方が鬼殺隊だってね。
童磨様や猗窩座様、あの方にも貴方が居たら連れてくるように言われているからね。」

『やっぱり、上弦の……！』

蕨姫「私は蕨姫花魁ではなく上弦の陸、堕姫。
これから貴方をあの方の元へ連れて行ってあげる！」


日輪刀が無い中で上弦の鬼と戦うのは自 殺行為。
宇髄さんに連絡を入れなければ……

でも、その間に犠牲になる人が居たら？
堕姫の攻撃を避けたら周りに被害が及んでしまう。
……この身で受け止めるしか…。

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