大丈夫。【鬼滅の刃】

参拾捌ノ舞 ページ40

ごめんなさい、煉獄さん。
貴方の意志を繋ぐことが出来なくて…。

宇髄さんも、私に任せてくれたのに役割を果たせずに……ごめんなさい。

炭治郎たちも、ごめんなさい。
稽古するって言っていたのに……。

御館様も……本当にごめんなさい。
私はあなたを裏切ることになるかもしれません…。


ああ、いつからこうなってしまったんだろう。
全てが壊れ始めたのは。


愛澤さんが来てからかなぁ。

「私が助けたんですっ！」

「私は務めを果たしただけなのに…っ」

「大丈夫ですっ、私は貴方より強いのでっ！」


居場所も、友人も、信頼も、全て貴方に奪われてしまったのね。

鬼になってしまおうかとも思ったこともあったっけ。
何も報われない。信じて貰えない。
……やっぱり私はそもそも鬼殺隊に…いや、

生まれてくるべきじゃなかったのね。
容姿も醜いし、強さもない。
ただの醜くて弱い、何も守れやしないちっぽけな人間。
いや、化け物か。

大切な仲間を殺し、守るべきものを守れやしない。


この鬼達について行けば、極楽にでも行けるのかしら｡



彼女の目に光は無かった。
それでも尚、煉獄杏寿郎らが貫いてきた信念を保とうと戦った。
だが、彼女には背負う物が多すぎた。

彼女の肉体と精神はボロボロだった。

そして、彼女が一瞬、少しの間だけ気を緩ませたときだった。




《グサッッッ》


『……っぁ゛………………。』



童磨の放った氷の柱が彼女の腹を破った。
そして、彼女は床に倒れた。



そのころ、竈門炭治郎らは……。

宇髄「善逸は来ねぇ。」

炭治郎「えっ……？」

宇髄「お前らには悪い子をしたと思っている。

…俺は連絡が途絶えたやつは死んだとみなす。
もうお前らはここを出ろ。
階級が低すぎる。」



炭治郎「……っ？！
とてつもない鬼の匂いと…僅かながらにAと血の匂いがする…！
伊之助！俺は匂いのする方へ行ってくる！！！
Aが危ない！」

伊之助「だったら俺も行くぜ！！猪突猛進！！！」

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