パンがなければ麦から作ればいいじゃない２ ページ35
カエデ side
「これうちの親父」
石像の組み立てを進めるために周辺を歩いて石像を探していくと、こういうこともあるかもしれない、とは一応思っていた。
大樹「石像もだいぶたまってきたなー！」
銀狼「だってぇ、組み立てるだけで復活させてないんだもん…」
発見場所ごとに別れたバラバラの石像がたまった石像の前にまばらに置かれている。
仁姫「無闇に人を増やすわけにはいかないんだよ。食糧が足りなくなる」
カエデ「うん。それに復活液もないし、ちょっとだけ復活させるのはリスキーだよね」
復活させたのが誰かの親族だったら、私も俺も、と後が続くことはカンタンにイメージできる。親を復活させたら次は兄弟、友達……
復活液が仮に余っていたとしても誰か一人をむやみやたらに復活させるわけにはいかない。せめてバンバン復活できる状態を整えてからじゃないと。
杠「ホントは急がなきゃなんだけどね。断面が古くなったら治せなくなっちゃうから……」
大樹「む…食糧か！俺がもっと頑張って集められれば＿＿」
そんなことを言うが、大樹くんは日々の食糧調達をめっちゃくちゃ頑張ってくれている。いくら大樹くんがすごくても、採集や狩猟だけだと限界があるということを目の当たりにしていた。
コハク「ハ！案ずるな。今この瞬間から私たちは、自然の恵みを採るだけではなく、知恵と力で自ら食糧を作るのだ……！！」
俵を背負ってやって来たのは石神村にいたはずのコハクちゃん。これから農耕が始まるんだ……！
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作者名：Saki | 作成日時：2022年12月15日 13時
