資源の王様３ ページ14
「まずは服から手に入れたらー？」
事前に杠に作ってもらっていた服を記者が渡す。
龍水「あぁ失礼した。無粋だったな、美女4人の前で＿＿＿＿？」
マグマ「美女4人だ？寝起きで数も数えられねぇのか？3人だぞ」
仁姫「いちいち言わなくていいんだよ、本当のことは！」
マグマ「ぁふん！！」
マグマは仁姫に蹴られるが、服を着た彼はマグマに返した。
龍水「貴様は何を言っている？タイプは様々あれど、女ちは皆美女だぜ。違うか？？……それより＿＿」
龍水はブラウンダイヤモンドの瞳を私に向けた。彼にしては珍しく少し言い淀んでいるのは、むやみやたらに私のことを口外しないで欲しい、という約束をしたから。
3700年前に交わしたその約束を今でも律儀に守ろうとする、そんな彼だからこそ私は＿＿
千空「A、テメーの知り合いか？」
言い淀んだ龍水が私を見ていることに気付いた千空が声をかけてきた。千空が私の名前を呼ぶのを聞いて、少し驚いたのは彼だった。柔らかく微笑んで、そして
龍水「元婚約者……、といったところだな」
不敵に笑った。
話を掘り出そうとする記者を適当にあしらって、帆船製作場所に連れていく。道中これまでの経緯を大雑把に説明した。
龍水「やるな貴様ら！！欲しいぜこれは！！」
製作途中の帆船と、その設計図を見た龍水が素直に喜びの声を上げる。
カセキ「オホホ、ワクワクしちゃうでしょ、帆船！！」
千空「この船でい行けっか？地球の真裏まで」
ゲン「いや〜、いっくらなんでもリームーだよね〜。“高級な船に慣れた”現代人の航海術じゃ、こ〜んな“腕で左右される”原始的な船は…！」
それよりも、問題がある。
A「ゲンの煽りはどうでも良くて。今すぐにでも撤収して船を守らないとマズイよ」
龍水「さすがAだ。当たるぜ、船乗りのカンは？急に気温が上がった、今14℃」
千空「ｸｸｸ…合ってやがる。ジャスト14℃だ」
水銀を使った温度計、それで計った温度と龍水の言い当てた温度が一致してゲンと千空は驚いている。カセキは気温の概念がわからずにキョトンとしている。
龍水「湿度も90％にアップして、南南西の風＿＿おそらく長江気団で影響を受けてシベリア気団を押し上げてる。多毛雲が時速60kmほどで接近中」
A「つまり？」
龍水「間もなく春の嵐、メイストームが来るぜ……！！」
何千年も前に聞いた懐かしいフィンガースナップが、
とても軽やかに鳴った。
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作者名：Saki | 作成日時：2022年12月15日 13時
