隠れた優しさ ページ7
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WN「…でもまさか休み無しで作業してると思わなかったから、もう少し多く買っておけばよかったね」
「いえいえっ、そんな…ありがたいです。」
そこまで考えてくれていたなんて、知らなかった。
いや、私は知ろうともしなかった。
少し口調が厳しいからと言って、その本質を見ないで鬼などと思ってしまっていたんだから
WN「…悪かった。」
「え、どうしてですか、？」
WN「そこまで追い詰めてるって知らなくて、俺も厳しくしすぎた。…俺、仕事のことになるとどうしてもこうなっちゃって」
「いやそんな…私の覚えが悪いから、手を煩わせてしまっただけで、！」
焦りと動揺で動きが多くなってしまって、あたふたしているとウォヌさんがふふ、と静かに笑った
…笑った顔、初めて見た
WN「…誰にでも、向き不向きってあると思う。実際、俺だって人とのコミニュケーションだとかはそんなに得意じゃない」
「…ウォヌさん、」
WN「それでも、パクさんがいつも一生懸命に仕事と向き合ってることは俺も知ってるよ。」
さっきよりもはるかに優しくなった表情でそんなことを真っ直ぐに言われたら、どうにも感動してしまって目頭が熱くなる
「…うっ、」
WN「え、ごめん。俺変なこと言った、？」
「違いますっ、！…嬉しくて、」
少し焦ったような顔をして私に近寄ったウォヌさんにそう言えば、ウォヌさんはまたさっきのように優しく微笑んでくれた
WN「泣かないでよ、笑」
「…うぅっ、私、もっとがんばりますからぁっ…」
WN「はは、もっと頑張ったら死んじゃうよ。これからはもっと気楽に、ゆっくり行こう？」
「…ウォヌさぁぁんっ！泣」
WN「はいはい、大丈夫だから」
ウォヌさんが隣に座って、どこからか出した紺色のハンカチで私の涙をそっと拭ってくれる。
こんなに素敵な人を今まで私は…最低だ。
WN「…落ち着いた？」
「はい、すいません。取り乱しちゃって…このハンカチ、洗って返します！」
WN「ううん、全然大丈夫だから気にしないで」
「…そんな、ありがとうございます、！」
今日、なんだか私達の間の壁が少しだけ薄くなったように感じる。
ウォヌさんは思っていたより何倍も優しくて、部下をしっかり見てくれるお手本のような上司だった
そんなウォヌさんのためにも、仕事をもっと頑張らなきゃって言うモチベーションにも繋がったし。
厳しいなんて言ってられない
必死でついていこう、そう決めた。
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2024年3月9日 20時
