鬼との出会い ページ1
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22歳の春、入社したての会社で働く毎日。
私はお世辞にも仕事が出来る方とは言えず、一生懸命に動いてはいるものの失敗ばかり。
それでも、優しい上司や同僚達に囲まれて楽しく仕事ができていた
…わずか三日前までは。
ある時は、資料を床に誤ってぶちまいてしまった時
「うっ、うわっ！！すいませんっ！」
「…何してんの？前見なよ」
「…すいません、」
またある時は、コピー機を壊しかけた時
「あっ、どうしよっ、えっと、」
「ここ、押せば止まるじゃん。わかんない？」
「…すいませんっ、」
さらにある時は、資料の確認ミスがあった時
「…ちゃんと確認したの？ミスだらけ。」
「っすいませーん！！！」
あの眼鏡から覗く鋭い目で見られると、私は固まって二言目にはすいませんの繰り返し。
こうなったのは、3日前。
「こちら指導係のウォヌくん。彼本当に仕事出来るんだよ〜、まだ三年目なのにね？」
「は、はぁ…」
部長から教育係として紹介された男の人は、ウォヌさんと言うようだった
…いや、知っていた。
この職場で働いていれば、女性社員はこの人の事で話が持ち切りだからだ。
眼鏡の似合う整った顔、高い身長、おまけに物静かで仕事が出来るときた。
まるで漫画から出てきたような人物だとよく聞いていたっけ。
…まさか指導係になるとは思っていなかったけれど
WN「…チョン ウォヌです、よろしく。」
「あっ、よろしくお願いしますっ！…」
「じゃ、そういうことだから！頑張ってねパクさん！」
「え、あ、…」
なんともまあ、無責任に丸投げしてルンルンでランチを食べに行った部長に思わず変顔レベルの失望顔を向けたのを覚えてる
もう一度言うが、目が鋭いのだ、ものすごく。
…まるで鬼だ。
しかもほかの上司よりも厳しい口調のせいで、私はもっと縮こまってしまう毎日
朝は必ず私より早く出勤してるし、笑ったところも見たことがないし。
HS「あ、Aちゃんおつかれ！」
「スニョンさん！ジフンさんも、お疲れ様です！」
WZ「お疲れ〜」
この人達は違う部署だけど、この間通路で書類をばら撒いた時に一緒に拾ってくれてから少し話せるようになった。
ウォヌさんと同期らしく、仲もいいのだとか
ウォヌさんに仲のいい同期がいたことにも驚きだが。
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2024年3月9日 20時
