encounter（��） ページ32
「私は、ポート・マフィアを辞めます」
もう、ほんの少しの迷いも無く、そう云い放った。
津島は、微笑みもしていなかった。
「……それが、どういう意味か分かってるのかね？」
単純で、予測が出来た言葉。
ポート・マフィア首領らしき威圧と圧迫。
然し、もう"何にも恐れは成さない"と津島は思った。
「裏切りです。
故に、私の身には危険が生じる。
その前に貴方を殺します」
拳銃嚢から、確かに重みを感じる黒く光った拳銃が、森に向けられた。
同時に、津島の背後でも、かちゃりと音がした。
それは、武装マフィアの構成員が自動小銃を構えたからだ。
「……一つ、貴方はこの場で私に撃たれ、死ぬ。その後私は背後の構成員に撃たれ死ぬ。
二つ、私は貴方を撃ち殺す事が出来ぬまま死ぬ。
三つ、貴方だけが死ぬ。
四つ、この場に居る全員が死ぬ。
五つ、誰も死なない。
そして、首領。貴方に選択肢をあげます。どれが良いですか？」
安全装置を外しながら、津島は選択肢を挙げた。
森は重りが乗った様な低さで「四つ目と五つ目、どちらかだ」と云った。
その答えは津島の"計算通り"だ。
「元より、この選択肢に可能な選択は四と五以外無い。
君が撃てば皆が死に、君が撃たなければ誰も死なない」
津島は弾を外さない。だが、構成員の弾を全て回避するのは、津島には不可能だ。
そして、森を撃った後、津島は対抗し構成員も撃つ。
結果的に、全員死ぬ、と云う形になる。
津島が銃を抜かなければ、その逆になる。
詰まり、最初から選択など二択しか存在しなかった。
「……流石です。私は五択目を要求しますが、反論は？」
「勿論、君を殺す予定は無い。
私も君に一任するよ」
その言葉が云い終わり、構成員も津島も手の中の武器を下ろした。
「私はね、ポート・マフィアの頭だ。
あらゆる極悪に手を染める事は日常であり、それが私そのもの。
そして私にはこのポート・マフィアを動かす決定権がある。が、それでも君は裏切り者になり、自ら死ぬ様な行為をするかい？」
「します。そうしなければ成らないから、します。
私は、元々、犯罪で手を染めるしか為に此処に来た訳ではありませんから。
求めるのは、即座の退職の同意です」
「理由を聞いていいかな？」
「勿論です」
一息を飲み、それを吐く。
その場に冷たい空気が過ぎった。
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雑草と花(プロフ) - 切なくて素敵です……！エモい…！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: 157490c8f1 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» はいっ！ありがとうございます！！(間違ってたらスイマセン…。) (2017年4月27日 21時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 承知致しました。更新する際に紹介させて頂きます。ありがとうございました！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» えっと…。作品のURLは、http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Painted/ ですっ！ここれを載せてくれれば私の作品にとんでいけます！ (2017年4月27日 20時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 全然大丈夫ですよ。というか、お仕事早い……(( (2017年4月27日 20時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月5日 14時
