encounter（��） ページ28
人の事を云えないが、少し岳、呑気だ、なんて思った。
(貴方を想う者が居ますのに)
心中に、違和感を覚える。
否、確かに太宰を想う者等数知れないだろうが、今の意味合いでは少々言葉選びの
「……そうだ、私、この花をお供えしないくてはいけないのでもう行きますが……粗方付いてくるでしょうから、一緒に行きません？」
どうせ、返ってくる答えは分かっていた。
焦れったく、回りくどい質問を一応した。
答えは決まってYESだも分かっていたのに。
彼がここで断る筈がないと分かっていたのに。
自分は少し、臆病だから。
「良いよ、では行こうか」
(ほら、矢っ張り決まっていました)
彼は……太宰は断らない。
彼も又、計算高い狐の様に臆病だから
「その花は、身内へかい？」
「ええ。両親に。
小さくて、可愛らしいでしょう？」
「そうだねぇ、控え目で可愛らしい。君の様に」
「ふふ、人をおちょくるのはお止しになって下さいよ」
なんだか胸がきゅってなる。
湧き上がってくる感情に、無理矢理蓋をする。
「あ、着きましたよ」
墓が見える。
綺麗に磨かれている石にそうでない石、でも、愛情がふと出て来る場所。
気味の悪いように見えるが、よく見ると、人の感情が見える。
それは、津島の両親が埋まってある所も例外は無い。
ソレの性質は黒か白か――……
「久し振り、なんですかね。
一ヶ月ぶりって」
津島は柔らかく微笑み、しゃがんで花をそっと置いた。
「Aちゃんのご両親だと聞きました。
私は太宰治、齢は二十二です」
なんとなく、太宰は挨拶した。
その様子を見て、くすっと笑みを零す。
「お父さんみたいに格好良い方ですよ」
「Aちゃんったら照れるなあ」
冷たい風が二人を包む。
「お、怒ったのかな？」
と、太宰は震えた。
勿論、ワザとだ。
「太宰さんとは唯のお知り合いですよ。
安心してください。私も今、ケジメを付けられるよう努力して、出来るだけ頑張ってるんですよ」
津島は、目のやり場に困る様に、俯いた。
喉の奥まで、口内の全体が乾いた。
少しだけ、緊張した。
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雑草と花(プロフ) - 切なくて素敵です……！エモい…！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: 157490c8f1 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» はいっ！ありがとうございます！！(間違ってたらスイマセン…。) (2017年4月27日 21時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 承知致しました。更新する際に紹介させて頂きます。ありがとうございました！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» えっと…。作品のURLは、http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Painted/ ですっ！ここれを載せてくれれば私の作品にとんでいけます！ (2017年4月27日 20時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 全然大丈夫ですよ。というか、お仕事早い……(( (2017年4月27日 20時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月5日 14時
