smoke（�顱� ページ16
男性の手と、女性の手が、私の目の前に差し出されました。
間違い無くお父さんの手と、お母さんの手です。
周りには私達以外誰もいません。
在るのは目の前の二人の笑顔岳なのです。
私は二人の手に触れようとすると、ふと跡形も無く二人は消えて無くなりました。
悲しくはありません。
寂しくもありません。
唯、一つ気になるのは、何時の間にか父と母の代わりに私の目の前で立っている、首と腕にちらりと見える包帯を巻いた男性です。
手を差し伸べてくれました。
……私は、手を掴めません。
津島は、目を覚ました。
目の前には、提出日の迫った報告書と、任務遂行の確認書、その他の資料が机にきちっと几帳面に置かれている様子。
感じたのは身体中にびっしり滲み出る汗と、厭に粘っこく感じる口の中。
津島は気怠さから抜け出す為、起き上がる。
と云っても、座って寝ていた為、立ち上がると云った方が正しい。
「最近、同じ夢ばかり見ますね……」
ぼそりと津島は呟くが、それは空虚に消えて無くなった。
夢、と云うのは詰まり、その名の通り、人間が寝ている時に自分の記憶にあるものが動くあの夢だが、津島は最近(と云いつつも一ヶ月二週間程前から)妙な夢を見る。
二ヶ月程前に殺された父と母が自分の手を差し伸べ、笑う、と云う、そんな夢を見るのだ。
正直気味の悪さでは、津島の人生で、アレはとって上位に存在するモノであろう。
何故なら、まるで夢の中の二人は津島を同じくあの世に連れて行こうとするようだからだ。
死者と云う者は言動も五覚何も無くなった屍の事を指すが、津島には父と母と云う死者は、何故か生きた亡霊の様な気がする。
然し、今回のは、少し違う。
「あれは、太宰さん……？」
太宰が夢の中で出て来る、と云うのは初めての事だ。
父と母のように手を差し伸べてはいたが、君の悪さは感じない。
「変、です……ね。…………」
それきり、津島は黙した。
その後、歯を磨き、軽く湯で身体を洗い流した。
仕事が津島を苦笑させる。
報告書は書き終わっているが、提出は出来ておらず、それに、その他の任務、雑務がある。
此処一日、津島は太宰に会っていなかった。
詰まり、殺しに行けていなかった。
津島にはそれを仕事の所為にする心算は無い。
殺人、内密売買、その他の行動しなくては成らない任務以外は今日と明日に終わると云う結論で、今日探偵社に邪魔する予定だ。
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雑草と花(プロフ) - 切なくて素敵です……！エモい…！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: 157490c8f1 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» はいっ！ありがとうございます！！(間違ってたらスイマセン…。) (2017年4月27日 21時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 承知致しました。更新する際に紹介させて頂きます。ありがとうございました！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» えっと…。作品のURLは、http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Painted/ ですっ！ここれを載せてくれれば私の作品にとんでいけます！ (2017年4月27日 20時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 全然大丈夫ですよ。というか、お仕事早い……(( (2017年4月27日 20時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月5日 14時
