kill（xii） ページ15
「その通り。然し私の異能は『触れた凡ゆる異能者の異能を或る程度の条件を無視し有効化し操る能力』です。
この能力も条件が勿論有り、異能者に必ず触れる事、その触れている時間は三十秒以上で無くては成らない事です」
「ふむ、私の異能よりも重宝だが、私よりも条件が厳しいのだね」
津島は苦笑した。
津島の異能『正義と微笑』の発動条件は相手に"三十秒以上触れていなければいけない"事、詰まり、"
若し津島が完全に国木田にとっての敵であれば、津島は投げ飛ばされていただろう。
詰まり……そう云う危険もあると云う事である。
前に災難にあったのは、まあ、思い出としておこう(詳細は記さない)。
「……済みません。
私そろそろ帰らせて頂きますね。
朝からお邪魔しました」
津島はそれだけ云い慌ただしく出て行った。
「……変に荒々しく出没する子だねェ」
与謝野が口を開いた。
「何故か朝だけで疲れたんだが……」
国木田も口を開いた。
江戸川と太宰は特に気にして無さそうに、駄菓子を食べたり、国木田の様子を愉快そうに見たりしている。
すると、江戸川も口を開いた。
「……なんでこう、太宰は厄介事を持ってくるの」
太宰は笑って、
「それはAちゃんの異能ですか？
それとも――」
「勿論、あの子自身だ。
あの子は……可也"重症"だよ」
「……」
「あの子が変わるかどうかは分からないけど、
あの子が"壊れる"か"壊れない"かどうかはお前、太宰次第だ。
力の入れ加減を間違えると、砕け散る」
江戸川の声は本気だった。
真意や意味は良く分からなかったが、何故か大事な事のような、大切なモノを守る約束のようなモノをしている、太宰はそんな気がした。
「あと……
「それは本人に云ったらどうですか？」
「覚えてたら云う」
江戸川は先程の真面目そうな話とは裏腹に、中々気分屋で
津島は、或る古新聞を読んでいた。
二ヶ月程前の古新聞である。
「津島氏両親が何者かに殺害され、娘の津島A(19)が行方不明。未だ捜索中……私は此処に居ますけどね」
津島の両親は二ヶ月前程、何者かに刺殺された。
津島はポート・マフィアに入り、世間では今は行方不明と云う形に成っている。
「お父さん、お母さん……ふふ」
津島は塵箱に古新聞を放り込みながら、微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雑草と花(プロフ) - 切なくて素敵です……！エモい…！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: 157490c8f1 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» はいっ！ありがとうございます！！(間違ってたらスイマセン…。) (2017年4月27日 21時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 承知致しました。更新する際に紹介させて頂きます。ありがとうございました！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
Tukimi(プロフ) - ユナさん» えっと…。作品のURLは、http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Painted/ ですっ！ここれを載せてくれれば私の作品にとんでいけます！ (2017年4月27日 20時) (レス) id: 92c302cc08 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - Tukimiさん» 全然大丈夫ですよ。というか、お仕事早い……(( (2017年4月27日 20時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユナ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月5日 14時
