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ぶわあっと顔が熱くなるのがわかった。
日向が可愛く見えた。
一瞬だけ日向が可愛く見えた...
「おいおい、2人して照れてんじゃねーよw」
そう、田中先輩が笑った。
俺は首を横に振った、熱がさめるように。
なんだったんだろう。
男は好きにならないと思ってたのに、一方的に好意を寄せられる側だと思ってたのに...
胸がギュッとなった。
日向のおかげで午後の授業は全く頭に入ってこなかった。
集中が出来ないまま時間だけが過ぎていく。
部活だ、日向と会うんだ...
嫌でも意識してしまう、そんな自分が嫌だ。
日向のことが好きなんてありえない。だって、チビだし、うるさいし。好きになる要素なんかない。
キュッと靴と床が擦れる音が耐えず鳴り響く。まだまだ夏だ、体育館はいるだけでも暑い、そんな中ボールは落ちることなく動き回る。
「5分休憩!!」
と澤村先輩が声を張っていった。
それに被せるように日向が
「谷地さん危ない!!」
と言った。
すぐに体が動いていた。
谷地さんの目の前まで迫ったボールを手で弾いた。
谷地さんはぎゅっと瞑った目をゆっくりと開けると、俺の方を見て
「ごめんなさいぃ!ありがとうございます!!」
そう言って頭が取れるんじゃないかという勢いで頭を下げた。
『あ、うん。気をつけろよ?』
俺がなるべく優しく言うと谷地さんもハイと優しく笑って答えた。
ああ、やっぱ女の子っていいなーと思った。
部活帰り、また呼び出しをくらった。
でも今度は先生からだった。
「あのね、テストの話なんだけど、八代さんテストの点数が正直いってよろしくないの、ギリギリなの、このテスト点数がよろしくなかったらバレー部の合宿行けないから、補習だから。」
え?やば。
なっんんんっつも勉強してねぇーよ?てか、出来ねぇよ?え?
どーしよ。えーととりあえず...
『はい、分かりました。何とかしてみせます。』
笑顔で言っとけコノヤロー
気持ちの悪い苦笑いで職員室を出ると思いっきり表情筋を休ませた。
やばいやばいやばいやばい
どうしよう、誰に相談すれば...えっとつ、ツッキー!ツッキー頭いいし...えっと電話...
「もしもし?」
『あ、もしもし。あのさ.......』
俺は事情をはなし、助けを求めた。
「いいよ」
よっしゃぁああ!!
『ありがとありがとありがと』
「え、うん」
『まじありがと!じゃね!』
そう言って電話を切った。
これでとりあえずは安心だろ。
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名無し84447号(プロフ) - 更新停止中…はよみたいな!頑張ってください! (2019年6月7日 19時) (レス) id: ec200d4da2 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ぽむぽむプディングさん» あー、間違えました!なおしますねー!! (2018年12月28日 18時) (レス) id: 838b1399b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむプディング(プロフ) - 初コメ失礼します!1話ですけど三毛猫はオスが大変希少です。もしとても多い様子を比喩したいのであればメスが正解ですね。私が間違っていたら申し訳ございません!とても面白いです!頑張ってください! (2018年12月28日 18時) (レス) id: c32d508c2b (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!!頑張ります!!! (2018年12月26日 19時) (レス) id: 838b1399b5 (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 1話だけでも既に面白い作品ですね!更新頑張ってください!応援しています! (2018年12月26日 15時) (レス) id: 52b2f1d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤一郎 | 作成日時:2018年12月25日 0時