マフィアになってしまいました【文豪ストレイドッグス】

八話 ページ10

「Aさん…？」


『あ、いや…えっと、』


コミュ障のくせに大きな声を出すからこうなるんだ…

しどろもどろしていたとき




「何を騒いでいる樋口」




私の後ろから男の人が入ってきたみたいだった



「邪魔だ」

『あ、すみません…』





またまた怖そうな人が入ってきた

私の意思が揺らぐ

ここでやっていくって正気じゃないかも…


「芥川先輩！お帰りなさい！お疲れ様です！」





樋口さんが嬉しそうに返す

芥川先輩…？


え この人？




黒い外套を身につけていて、肌がとても白い人だった

口元に手を当て少し咳き込んでいるようだ



「貴様何者だ」


睨むようにこっちを見た
私に言われてる…！？


『あ…私、成瀬Aと言います』


「何故ここにいる」


『…どうか皆様の仲間に入れていただきたく…て、』


「誰がそれを許可した」


『許可…、いえそれはまだ』



そう答えた瞬間


「使えないものなどいらぬ」






『あ、…』

「先輩！？」



芥川さんの後ろから黒い何かが出てきた

これは…黒い、獣？


それは真っすぐ私に向かってくる、


ああやばい、私何かミスをした？？




そしてそれは








私の目の前で止まる





『…っはぁ、…え…』



思わず息を止めていたみたい、すごく苦しかった


私が芥川さんを見つめ返すと

彼は何も言わずに黒獣をけして奥の方へ歩いていく




何．今の…さっきの出来事より全然怖かった



ーーーーーーーー



『疲れたぁ…』


樋口さんにマフィアに入りたい事と、雑用の仕事が欲しいって言う意思も伝えた


樋口さんは理解してくれたけど

こーいうのってトップの人とかにも話さないとだよね


気が重い、行きたくない


でも芥川さん怖かったなぁ、どうして樋口さんはあの人を…

ほんとに命が刈り取られると思った




そういえば中原さんはどこにいるのだろう




『樋口さん、中原さんはどこに？』


「え、中也さん？どうして？」


『さっき…ちょっと外でお話したので』


「中也さんはお忙しい人だし…どうでしょう」


『中原さんって結構立場が上だったりするんですか？』


「もちろん、あの方はウチの五大幹部ですし」


『…、へぇー…、えっ！？あの小柄な人が！？』


「聞かれてたらまずい発言ですよ…！？」





幹部！？あの人幹部！？



私はそんな人と会話をしてたのか




「どうしました？」




『いや…冷や汗が止まらない…』

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