マフィアになってしまいました【文豪ストレイドッグス】

五話 ページ7

でも思った事をすぐに口に出しているようじゃこの世界は生きていけない


むかっとしたけれど気持ちを抑える






『はい…すみません』





そうだ本当にこの世界がトリップした世界なら私の命はとても軽い



樋口さんの言っていた異能力やらなんやらで殺されてしまうかも



そもそもこの人がその異能を持っているかどうかもわからないけどね



「よし樋口、こいつを外に連れてってやれ」

「でも…、はい。わかりました」



樋口さんは私を心配してくれているみたいだった

私も自分が心配だ。この後生きていけるのだろうか



ーーーーーーーー


『…どうしよう』



ひとりぼっちになってしまった

今日の寝床も、食事も一体どうすれば…



財布の中には千円札が1枚
小銭342円





終わってる、ほんとに終わってる

私ここで死んじゃうのかな



「おい見ろよ女がマフィアビルから出てきたぜ！」






『…ん？』





男の人の声が聞こえた


マフィアビル…？私が出てきた事について言ってる…？


は、マフィア？私今マフィアのビルにいたの？？？











「アイツを捉えてマフィアの情報を吐かせろ」







『え、…』




危険を察知したときには遅かった

私は数人の柄の悪そうな人に囲まれていた



おいおい冗談よしてよ





『や、…違います。私は何も…』





「一般人があのビルを出入りできるわけねぇだろ」

「こいつ使えるぜ」


『やめてください、たすけて…』





さっきからひどい目にあってばかりだ

ビルの入り口の男の人達に銃口向けられるし

ちょー怖そうな人とぶつかるし


本当にトリップしたのなら私にだって特殊能力くれたってよかったのに


いや、もし死んだら元の世界に帰れたり…？



「よし、連れてけ」






やだ！やっぱり怖い！！！




『無理…！たすけて…』



あぁ神様、私はあなたが嫌いになりそう

















「あーあ、やっぱり捕まってら」









「な…！お前何故ここに…！？」




男達の手が緩む

『あ、あれ…』



後ろからついさっき聞いた声が聞こえた


「手前らか？最近ウチの周りで問題起こしてんのは」




中原中也さんだ

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