マフィアになってしまいました【文豪ストレイドッグス】

四話 ページ6

どちらにせよこのままではマズイ

早く帰らないといけないんだ、レポートがぁ…


「樋口さん」


黒服の男の人が入ってきた


「そちらの人は一体…？」


「私の客と言っているでしょう」


「ですが勝手に一般人を中に入れると…」



やはり私がここにいるのはマズイのだろうか

それにさっき殺されそうになってるし、この会社も危ないところなのかもしれない


『そ、そうですよね！やっぱり私は帰ります！』


荷物を掴んで立ち上がる

樋口さんには感謝しないといけないけどここから去らないと

『失礼しました！』

「あ！Aさん！」


樋口さんが私を呼ぶ声が聞こえたけど部屋を出て出口に向かおうとする


ええっと…たしか、こっちから…かな

曲がり角を曲がった時



「うおっ…！？」

『うわっ…』



誰かとぶつかった



うわやばい、こんな怖いところで人とぶつかるなんて…！


『ご、ごめんなさい！』


怒られませんように、慌てて頭を下げる

恐る恐る顔を上げて前を見るとぶつかったのは男の人

うわイケメン…


赤っぽいような茶色っぽいような髪で帽子をかぶっている
私より背は高いとはいえ、男性としては割と小柄な人だ


「あぁ？…なんだ手前」


『す、すみませんでした…！』


小柄でも威圧感がすごい、それがさらに私の中の恐怖心を駆り立てる



『うぐ』


「おいちょっと待て、手前初めて見る顔だな」


『そ、それは…！』


逃げようとする私の首根っこを捕まえられて動けない力強いなこの人…！


「あ、中也さん！お疲れ様です！」


そこに樋口さんがやってきた
中也さん…中也さんというのかこの人は


「あぁ、樋口か。こいつはなんなんだ？新入りか？」


違う！こんな物騒なところの新入りなんて無理！
でもそんな声を上げる勇気すらない


「じ、実は…」



その後樋口さんが中也さんという人に私の今までのことを話してくれた

手帳を見ただけでこんなに尽くしてくれるなんて正直申し訳ない



「へぇ…落とし穴ねぇ…」


この小柄な男性は中原中也さんという人だそうだ

さっきからこちらを一向に見ようとしない



…早速嫌われてるのだろうか、すると



「ここはなぁ、預かり所じゃねェんだ。手前をここに置く理由はねェ、さっさと帰れ」


冷たい、ちょっと自分がイケメンだからって調子に乗ってるんだ


なんだその言い草
私だっていたくてここにいるわけじゃない




帰りたくても帰れないからこうなってるんだYO

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