マフィアになってしまいました【文豪ストレイドッグス】

十四話 ページ16

「Aもな、鏡花に似ている訳ではないのじゃが…どこか愛おしい」



姐さんはそう言って私にお茶を出してくれた


嬉しい、


『…ありがとうございます、姐さん』


嬉しい、ここに来てから大変な事ばかりでそんな優しい言葉を貰えるなんて

ホカホカして幸せな気分に浸っていた時



『あ、』




買い出し忘れてた…！！！



『うわぁ…！ごめんなさい！私買い出し行かないといけないんでした！』


「ほぅ、買い出しか」


『芥川さんをにっこりさせる作戦なんです！』




“そろそろ失礼します！！”



そう叫ぶようにして部屋を飛びだす





「ふふ…忙しい子じゃのう、腕時計を忘れて行きおって」



ーーーーーーーーー




買い出しといっても中原さんの分は飲み物だけ

その辺でなんか飲めそうなの買っとけばいいかな



私が必要なものは


『無花果…！どこに売ってる…！？』



私が探し求めているのは無花果


さっき立原さんに教えてもらったのさ



“芥川さんと仲良くなる方法ねぇー…、あ、でも無花果が好きっていう話を聞いたことあるぜ”



無花果…！



そう私の計画は




“芥川さん！差し入れです！”
“A！ありがとう！お前はいいやつだ！”





ふふふ、好きな食べ物を差し入れにもらって嬉しくない人などいないのです



絶対に芥川さんを笑顔にして見せるぞ…！












とは意気込んでいたものの




私、無花果についてあんまり知らない



食べた記憶ないからなぁ私


どんなのだっけと思ってスマホを出すが



『圏外なんだった…』



不便だなぁと使えないスマホをいじりながら歩いていると



「おや、お嬢さん前を見ないと危ないよ？」


『あ、すみません…！』




私に声をかけてくれたのは長身でふわっとした茶髪
そして包帯だらけの男の人

またイケメンが現れた



「お嬢さん、ここで会ったついでにさ、私と一緒に心中なんて如何かな？」


『え、心中…？？』



なんだこの人、怖い人だ

初対面の人に心中誘うとか怖い人だ

でもイケメンと心中か…意外とありかもしれないが、



『私、今買い出しなんです』



「ほぉ、買い出し、偶然だね私もだ！お供しよう！」



私の許可もなくその包帯さんはついてきた

十五話→←十三話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す