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第63話 ページ36

門に寄りかかって涙を流す

天光丸「……ッ…ふぅ…ぁ」

例え、自分の主でなくなっても彼女は天光丸にとって大切な人間だった

涙は溢れる、でも気持ちはスッキリとしていた

なぜなら





……天光丸は確かにあの時、あの瞬間






幸せだったのだから







もう二度と会えないと思っていた大切な仲間と主に会えたから

言葉を交わすことが出来たから

もう何も望まない

天光丸はふっと微笑み着物に着いた汚れをはらい立ち上がる

そして周りを見渡すが、

天光丸(誰もいない)

きっと天光丸に気を使ったのだろう

ほんとに優しいよなぁ……

そう思いながら天光丸はゆっくりと本丸へ帰る

そろそろ昼餉の時間のはず、

光忠や、歌仙などが美味しいものを作ってくれているはずだ

天光丸は顔を緩ませる

まだ涙は流れていて、広間に着くまでに止まらないかもしれない。

それでも天光丸はいい気がした

天光丸(きっと、あいつらなら、)

全てを受け止めてくれる気がしたから、


どんな事でも、優しく包み込んでくれると思ったから


天光丸の足取りは自然と軽くなる


天光丸は、1度、振り返り門を見つめ、また歩き出した


………………


その頃、陽岬達は本丸でお昼を食べていた

いつもよりも雰囲気が明るく、みんなが笑顔な中、一振物思いに耽ける者がいた

山姥切(あの時……)

そう、ここの初期刀の山姥切国広だ

山姥切(…主を泣かせていた

だが、あの時……)

陽岬に自然と視線が行く

それに気づいたのか、陽岬は山姥切に微笑む

山姥切は、反射的に布で顔を隠すと

もう一度思い出す

━━もしも、陽岬…

いや、"主"を泣かせたら…









てめぇら覚えとけよ……?━━

確かに、あの言葉は主を……??

考えれば考えるほどよく分からない

山姥切「もしかして……」

前に本丸を持っていた?

でなければ、辻褄が合わない

だが、そんなことを聞いたことなど……

いいや、主は自分の事を全く話さない

そうだ……俺たちは何も知らない

主のことを何も

全く関わろうとしてこなかった訳では無い

ただ一本線を引かれているような…

…だからこそ俺たちは……

いいや…これは言い訳だ

主の事を全く知ろうとしなかった事に対しての無駄な言い訳

あそこで笑っているあの人は俺たちのために歩み寄ってくれたのに

俺たちが寄り添わないなんて、可笑しいだろう?


山姥切「なぁ、主…」

…………………


文字数…

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作者名:長女 | 作成日時:2019年10月23日 22時

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