薄桜鬼～私の生きる理由～ (ページ43)

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俺は眠れるような気分ではなかった｡
貴｢沖田はどうしてるんだろう...｡｣
日々命が蝕まれてる俺は、残りの時間で彼のためになにができるのかな…？
沖｢...おかえり、A君｡｣
貴｢っー？！｣
知らぬ間に沖田が後ろにいた。
貴｢沖田なんで、寝てないと駄目だろ！｣
沖｢君が僕のこと呼んでたから、起きた方がいいのかなって｡｣
貴｢沖田まさか...ずっと起きてたの？｣
俺と山崎さんが話してる時から？
沖｢...もしも変若水を飲んでなかったら､僕はあの日死んでたかもしれない｡｣
貴｢沖田...｡｣
沖｢あの日を生き延びたとしても､どうせ体力がもたなくて死んでたと思うよ｡｣
全てをありのままに受け止めて、彼は優しく微笑んでいた｡
沖｢だから羅刹の寿命が短いのも仕方ないよね？今僕は生きてる､それだけでも運がいいんじゃないかな｡｣
貴｢...でも、諦めないで｡｣
沖田には死んでほしくない。
例え彼が死を受け入れてるとしても。
俺みたいに生きることを諦めてほしくない。
貴｢沖田はまだ生きてるんだから｡｣
沖｢そうだね｡生きてる限り僕にもできる事があるから｡｣
だから諦めないと、沖田は俺に約束した｡
貴｢よかった｡｣
沖｢うぁ...！｣
突如沖田が苦しげな声を洩らした｡
崩れそうになる体を俺は必死に支えようとする｡
貴｢傷が痛むの？！｣
沖｢...ぐっ...！｣
首を振る沖田の髪が見る間に白く染まり、瞳は真紅に変わる。
貴｢沖田...？！｣