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千鶴side

平「これを勝手場まで持ってけばいいんだな?」
雪「うん。ありがとう平助君。」
ドンドンドン...
雪「銃声...?」
平助君に仕事を手伝って貰っていると銃声が聞こえてきた。
するとそこへ慌てた様子の沖田さんが駆けてきた。
沖「ねぇA君見なかった?!どこにもいないんだ!」
平「Aが?!」
平助君がそう言った時、目の端に微かに見えた駆けていく人影。
それは間違いなく雨宮さんだった。
雪「今、雨宮さんが1人で外に飛び出して...!」
私が言い終わる前に沖田さんが駆け出し、私もその後を追った。
平「待てよ、千鶴、総司!」
平助君の声を無視してそのまま沖田さんを追いかけた。

屯所を出て駆けた先には雨宮さんがいた。
こちらを見て何かに気づいたのか顔色を変えてこちらに走ってくる。
貴「二人共危ないっ!」
雨宮さんが叫んだのとほぼ同時に銃声が鳴った。
その直後聞こえてきた血しぶきの音と「退けっ!」という男の人の声。
恐る恐る雨宮さんへ目を向ける。
でも雨宮さんは傷を負っていない。
驚きに目を見開いたままある一点を見つめているだけ。
目線の先には銃弾を受け血を流している沖田さんが。
沖田さんの体が傾き、そのまま地面に突っ伏してしまう。
赤黒い血が沖田さんの着物を染め、吸い取れない血が地面へ広がっていく。
そして、沖田さんの髪が白へ変化し、「羅刹」の姿に...。
雪(沖田さん、いつの間にー?!)
駆けつけてくれた平助君も驚きと戸惑いを隠せないみたいで。
ガシャンっ
音のした方を見ると刀を落とした雨宮さんが覚束無い足取りで近づいてきた。
目には色がなく、本人は気づいていないのか頬に涙が伝っていた。
沖田さんの体に手を当てたかと思うと光が輝き出した。
でも、直ぐに雨宮さんは気を失ってしまい、沖田さんと一緒に突っ伏してしまった。
山崎さんによると、とても危険な状態になっていて、最悪の場合は命に関わると...。

雨宮さんは意識不明のまま、近藤さんと沖田さんとと共に大阪へ護送されることに。
それは鳥羽伏見の戦いが勃発する13日前のことだった。

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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 17時

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