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雪「平助君ーっ!」
平助君から溢れる血が地面に広がり染み込んでいく。
永「おい!平助しっかりしろ!」
不「ったく頭の悪い奴らだな。そんなに死に急ぎたいかねぇ。」
原「黙りやがれ!」
もうだめだ...そう誰もが思ったその時ー
『諦めるなって言っただろう?』
また雨宮さんの声が心に響き、私の懐から青く光る石の欠片が落ちた。
その瞬間辺りに結界の様なものができ敵を次々と転ばしながら広がっていった。
原「なんだこりゃ?!」
天「これは、巫女の結界ー?!」
不「あぁ?んな事できる奴1人しかいねぇじゃねぇか、くそっ...!」
『皆さん今の内に早く屯所へ!』
原「新八!」
永「あぁ、死ぬんじゃねぇぞ平助...!」
千鶴side終了
貴「うっ...くっ...はぁっ...」
風「愚かな、自分の命を削ってまで新選組を守るか。」
貴「...確かに、俺のしてる事は愚かかもしれない。...でも、一度命を預けると誓ったんだ、忠義を尽くすのは...当たり前だろ?生憎、俺はあなた達とは考えが違うから、悪いけど...。」
風「...いづれまた迎えに来る。」
風間さんが去ると部屋の前の縁側に座り涙を流した。
止めようと思っても次から次へと流れ出して止まらないそれは、俺の心を壊していった。
沖田side
沖「...A君?」
貴「...ぁ」
A君の部屋に行くと部屋の主は縁側にうずくまって座っていた。
僕が隣に座ると泣いていたのか顔を拭い話し始めた。
貴「...夜は、嫌いなんだ。寝ちゃったら、もう目が覚めないんじゃないかって、思ってしまうから。...怖いんだ、本当は。いつ死ぬかもわからない事が...とても。」
そう言って僕にすがりついてきた。
貴「ごめん...。でも今だけ、弱音を吐かせて...。」
僕はA君をゆっくり抱きしめる。
不意に視線を感じてそっちに目を向けたら土方さんがA君を見てなにか思ったように去っていった。
沖(土方さん...?)
僕は、何もわかってなかった。
A君の命が静かに削られてる...その本当の意味を
沖田side終了
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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 17時