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大政奉還により幕府と朝廷が新しい時代を迎えた。
原「坂本龍馬が斬られた?」
井「どうやら坂本が斬られた近江屋に原田君の鞘が落ちていたらしい。」
沖「なんだ左之さんが斬ったんだ?僕も呼んでほしかったなぁ。」
原「馬鹿言え、俺の鞘はここにあるだろ。」
土「ちょっと集まってくれ。」
永「斉藤!なんでここに!?」
集まったそこには斉藤がいた。
平助がいないのをみるとまだ連れ戻せていないのか...。
土「本日付けで斉藤は新選組に復帰する。」
近「斉藤君は間者として伊東派に潜伏していたのだ。」
原「そういう事か。」
沖「へぇ、僕に内緒でそんな楽しいことしてたんだ。」
貴「けほっけほっ」
雪「雨宮さん、大丈夫ですか?」
貴「あぁ。それより良かったね、斉藤が戻ってきて。」
雪「はい!」
本当に安心したようにお嬢さんは微笑んだ。
土「斉藤、報告を。」
斉「伊東派は新選組に対して明らかな敵対行動をとろうとしている。」
土「伊東の奴、幕府を失墜させるために羅刹の存在を公表しようとしてやがる。坂本暗殺に原田が関与していると噂を流し新選組を陥れようとしているのも奴らだ。」
永「なんだって?!」
原「伊東甲子太郎、小賢しいやつだ。」
斉「差し迫った問題がもう一つ。副長、伊東派は新選組局長の暗殺計画を練っています。」
沖「近藤さんを?!」
沖田が殺気を放ち、周りもざわつく。
近「...。」
土「残念だが、伊東には死んでもらうしかないな。」
近「う...む。止むを得まい。」
土「まず伊東を近藤さんの別宅に呼び出す。ーーー」
副長が作戦を述べ始める。
土「実行隊は...永倉、原田、お前らに頼む。」
沖「で、土方さん。僕は誰を斬ればいいんですか?」
土「総司はここにいろ。新選組を狙うやつらはあいつらだけじゃねぇ。」
チラッと俺達を見たってことは風間さん達の事だろう。
貴「俺なら大丈夫です。自分の身は自分で守れる。」
土「てめぇは寝てろ。変な咳をしやがるし体調でも悪いんだろ。まだ数日は斉藤もここにいるから2人で相手してもらってろ。」
沖「...恨みますよ、土方さん。」
...人を殺すにしてはあまりにも整然した指示がわたっている。
お嬢さんも呆然としていて、斉藤に肩を叩かれようやく気がついた様だった。
雪「斉藤さん?」
斉「...御陵衛士はこれで終わる。平助を呼び出すつもりならこれが最後の機会になるだろう。」
斉藤の言葉が耳に届く。
...そう、まだ平助が残っている。
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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 17時