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カタ...
戸が開く音に俺は目を覚ました。
外に出てみると、山南さんと、その後を追うお嬢さんが見えた。
貴(山南さんをつけてる...?)
嫌な予感がした俺は2人の後を気付かれないように追った。

山「人としても死なせて下さい。」
俺が部屋に入ると変若水を飲んだ山南さんがいた。
貴(なんで...)
山「ぐっ、...ぐぁぁ...!」
千「さ、山南さん!大丈夫ですか!」
貴「お嬢さんダメだ、離れてっ!」
苦しむ山南さんに近づこうとするお嬢さんを止めようとした時、山南さんの腕が伸びてきて俺の首を掴み、動きを封じられる。
雪「Aさんっ?!」
貴「俺は大丈夫、だ...から、早く、土方さん達を...呼んで、きて...。」
首を掴まれ上手く話せないが、お嬢さんは理解してくれたみたいで、部屋を飛び出していった。

土方さん達が駆けつけてくれ、俺は解放された。
一緒に戻ってきたお嬢さんは安堵してか気を失ってしまった。
山南さんの方は沖田と斎藤によって止められ、何とか落ち着いたようだ。
土方さんが皆に指示を出していく。
土「総司、おめぇには...」
沖「わかってますよ。いざと言う時は、僕が楽にしてあげますから。」
土「...あぁ、どうせ今夜が峠だろ。生きるか死ぬかー狂うかのな。」
土方さんの指示どうり皆は動き始める、土方さんもお嬢さんを抱えると部屋を出ていった。
沖「どうしたの、A君。」
貴「あ...。」
沖田は皆がいなくても秘密を守ってくれている。
貴「...すまない、沖田...。」
沖「なんで君が謝るの?」
貴「俺がもっと早く見つけていればこんな事には...。それに、また犠牲者を出してしまった。もう、山南さんは人間ではなくなってしまった...。」
こんな事言っても、許してもられないだろう。
けど、返ってきたのは意外な言葉だった。
沖「遅かれ早かれきっと山南さんはこれを飲んでたよ。でも君が駆けつけてくれたおかげで千鶴ちゃんも助かったし、山南さんも抑えることが出来た。君がいなかったらきっともっと騒ぎになってた。それは土方さんも皆もわかってると思うよ?」
穏やかで優しい、普段の彼からは想像もできない言葉だった。
貴「でも、今夜沖田は山南さんを斬ることになるかもしれないんだぞ?!」
沖「別に、そんなの気にしなくていいよ。」
貴「気にしない訳ないだろ!!」
俺はそう叫んでいた。

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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 17時

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