◯ 全ての記憶 ページ39
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瀬崎さんに家の近くまで送ってもらって
家に帰った。
玄関の扉を開けたけど、永瀬さんは
まだ帰っていなかった。
ふと半開きになった永瀬さんの部屋の扉が
視界に入る。
瀬崎さんに言われた永瀬さんの生い立ち、
小学生の頃の記憶が一気に蘇る。
「 まさか、ね。」
リビングの明かりをつけようとした時
テーブルに思いっきり激突してしまった。
「 いったぁ…、」
その衝動でバサバサと音を立てて落ちたある物。
「 これ…、」
永瀬さんの手帳だった。
黒の革で出来たシンプルな手帳。
あんまり見ないようにと目を伏せつつ
散らばった手帳の中身を整理していると
1枚のある写真が目に入った。
「 …え、これって…、」
そこには幼少期の私がいた。
その隣には私の初恋の人。
隣にその子が越してきてしばらくして
お母さんが撮ってくれた写真だった気がする。
ずいぶん前の写真だから古ぼけてて、
角っ子は茶色くなっていた。
写真の裏面を見ると、" Ren.N " と書かれていた。
その瞬間全てを思い出した。
ずっと会いたかった初恋の人が、
永瀬さんだということ。
そしてその、ずっと会いたかった初恋の人が
こんな身近にいたのに何もしてあけられなかったこと。
全ての感情が襲って来て溢れて来て、
涙と嗚咽が止まらなかった。
『 A…？』
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紫暢(プロフ) - 卵さん» 初めまして、本作に目を通して下さってありがとございます:-) そのお言葉を励みにこれからも頑張ります。 (2019年5月14日 18時) (
レス) id: 4079e9622e (このIDを非表示/違反報告)
卵 - こんにちは、作者さんとは初めましてですね！この作品とても面白いです！これからも、読ませていただきます！更新頑張ってください！ (2019年5月14日 16時) (レス) id: 4c39965e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫暢 | 作成日時：2019年5月13日 2時
