いきなり異能が出てきました【文スト】

15話 ページ17

ぐら、ぐらりと頭が揺れる

赤い赤い赤い赤い赤い

血肉が飛び散っている

元は緑であっただろう焼け野原に変な程印象を残している

"また助けられなかった"

これは誰の思いだろう

"たった一人だけじゃあないか大丈夫君は悪くないよ"

これは誰の言葉だろう

たった一人？

たった1人の命でも大切なものでは無いのか？

頭の中でまた誰かの声が聞こえる

"君はこの世界を救わなければならない、だから僕を構わなくてもいいんだよ"


"他の人を救ってあげて"


彼の手を掴もうとする
でもその手は届かず

彼は前に進んでいく

私は叫ぶ

彼の名を

『"▅▅▅"！！』

彼の髪が揺れる

薄桃色の髪が彼の歩く度に

色素が薄く、薄くなっていって

体の形も色もどんどんと変わっていって


『"▅▅▅"！お願いだよ！！待ってよ！』


私のオレンジの髪(････････)が揺れる

私の双眸から涙が零れ落ちていく


そこで私の体はがくんと椅子から落ちた感覚があった


敦「大丈夫！？Aちゃん！」


ア「マスター大丈夫ですか！？」


心配そうな顔をするふたりの顔が見える


『はぁっはぁ……………………い、今のは一体』


さっきまで夢の中にでもいたのかのような感触だった

敦「与謝野先生呼んでこようか？とりあえずほら」

敦さんが手を差し伸べてくれた
私はその手に私の手を載せる

ぎゅうっと手を握って私を立ち上がらせる

『あ、ありがとうございま』

するりと重かった体は起き上がる

敦さんは私の顔を見やる

敦「うん大丈夫そうだね」


そうニッコリと笑う敦さんの姿に誰かの姿が重なる


"うん大丈夫そうだね立香(･･･)ちゃん"

立香…………………………?

その名前にはなんだがよく分からないけど見覚えがあった
まるでサーヴァント達(あの人達)のような


敦「さてと………………Aちゃん今から仕事だけど………………」


『わ、分かりました』


と、ここから書類仕事を教えてもらったりしてもらった

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