僕らのイケメンヌナ(BTS)

40.茨は龍に変わる。 ページ45

Ｖ.side。



AヌナはコーヒーですっかりシミになってしまったTシャツとハイソックスを脱ぎ捨て、キャミソールに短パンの状態になる。
メンバー以外の全員が息を呑む音が聞こえた。




彼女の茨のタトゥーが、その時突如龍に変わったかのように見えた。





A:「こちとら仕事しに来てるんすよ。忙しいスケジュール割り引いて来てんのに何故迷惑をかけるんですか??迷惑なら私にかければなんの問題もありません、そんなの上等だ」




ポタポタと机から滴るコーヒーに目をやり、彼女が大切にしていた書類やスケジュール帳も真っ茶色に染められている。



A:「この書類、こんなんになっちまえば提出なんてできるわけが無い。スケジュール帳は細かくメンバーの予定を書き込んでるのに滲んで読めない。貴方は私だけではなくこの場にいる全員、撮影現場で待つ皆さん、この後に控える仕事に関係する人達に迷惑をかけたんです。簡単にね」



汚れた書類をビリビリ雑に破り、そのスタイリストの頭から降らす。





A:「この事は上の者に報告させてもらいます。もちろん、私一人で仕事の関係者に詫びの電話を入れ頭を下げに行くんで」



鞄からタオルを取り出し濡れた手帳を拭いて肩に置くと彼女は笑顔で言う。





A:「今までお疲れ様でした、帰りは気をつけて歩いてくださいね」







それだけ言うとヌナは楽屋を出ていってしまった。







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A:「もしもし、パン代表はいらっしゃいますか??えぇ…はい、お願いします」







バンに乗り込み、荒々しい運転で近くのメンズファッション店に足を運ぶ。
移動中は専用のイヤホンを通して電話をしている。




店内は皆驚いて私の姿を見ているが、私はお構い無しに買い物カゴにどんどん上着やTシャツ、ズボンを放り込み店員に会計を頼んだ。
時よりタトゥーを怖がる人もいたが今はそんなことはどうでもよかった。





??:「もしも〜し、パンで〜す」



会計を済まし、更衣室でスキニーのダメージジーンズ、ワインレッドのシャツに黒のネクタイを閉めて外に出たと同時にムカつく上司が電話に出た。







A:「お疲れ様です、パクです」

PD:「おや、君からなんて珍しい。…何かやらかした??」

A:「よく分かりましたね、盛大にやらかしました」






電話越しにおっさんの笑い声が響く。

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