32.理想とはエゴ。 ページ36
JIN.side。
そんな言葉をかけられたのは初めてだった。
ネットにはグループの皆の性格が変わった、けど唯一僕だけは変わらなかったと書かれていて。
それは弱い自分を見せたくなくて、自分を守りたかったから。
本当はずっと、苦しかった。
傷つく弟達を見ても何も出来ない無力な自分、歌もダンスも出来ない自分、誰よりも繊細な心を持ち素直に弱音を吐けない自分。
防弾少年団の『JIN』は周りが作り上げた理想。
JIN:「何…で……」
A:「何でって言われてもなぁ。まぁ、私は一人っ子でお前の抱える重さとは比べ物にならないくらい違うし…一緒だとは言えないけど。私も重い『使命』を持って生まれてきた存在だから、何となく分かる気がするんだ」
JIN:「Aも…??」
A:「あぁ、私もだ。常に貴方はこうあるべき、これが出来て当たり前、何をしても完璧。自分は何も言えないでそうやって育ってきた、今のお前そっくりに」
彼女の首筋から顔をあげれば至近距離に美しく整った顔があった、どこか憂いを帯びた悲しい笑顔で。
僕は瞬きすることも出来なく、Aの優しい赤を見つめた。
そこに映る自分は涙でぐちゃぐちゃでワールドワイドハンサムではなかった。
A:「人間、1人でなんて生きていけないよ。誰かが誰かを支えあって、ようやく立派な人間になるんだ。だからJINの、キム・ソクジンの心のはけ口は私にしてくれないか??」
ずっと、ずっと待っていた言葉。
偽りの僕じゃなく、本当の僕を見つけてくれた人。
JIN:「う"んっ…!!!!」
僕は、誰かに甘えてみたかったんだ。
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A:「泣き止んだか、イケメン野郎」
JIN:「まだでーす」
A:「料理の途中なんだが」
JIN:「まだこうしてたい」
彼女を自分の膝の上に乗せて抱え込んで10分が経つ。
彼女のシャツは僕の涙で濡れてほぼ着ている意味が無い、下着の赤が滲んでいた。
服、着替えさせないと。
JIN:「A、これ着て。服汚しちゃったから」
そう言い徐ろに自分のピンクのTシャツをもぞもぞ脱ぎ、目の前の彼女のシャツを剥いで着せた。
A:「……お前のそういう所には適わねぇわ」
JIN:「え??」
下着と一緒に真っ赤に染まったAが呟き、体を離してキッチンへ向かっていく。
A:「早く着替えて来い、遅れた分お前も手伝え」
JIN:「うん!!」
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香奈(プロフ) - 読んでいてとても面白いです!話の構成が分かりやすくてとても好きです!パスワード教えてください! (2018年12月22日 10時) (レス) id: a6454c6e35 (このIDを非表示/違反報告)
静瑠(プロフ) - yyitty1206さん» 返信遅くなって申し訳ありません(´;ω;`)今後の展開にもご期待ください!!yyittyさんのボードの方にURLとパスワードを送付致します、作品は更新が停止中なので気長にお待ち頂けたらなと思っています:;(∩ ˘ω˘ ∩);: (2018年9月23日 23時) (レス) id: be2936d6a9 (このIDを非表示/違反報告)
yyitty1206(プロフ) - とっても面白くてこれからの展開が楽しみです!パスワード教えてください!! (2018年9月21日 22時) (レス) id: 1cf4335225 (このIDを非表示/違反報告)
ソヨカ(プロフ) - 静瑠さん» ありがとうございます!楽しみにしてます!! (2018年9月16日 21時) (レス) id: 63aa5b9f2a (このIDを非表示/違反報告)
静瑠(プロフ) - ソヨカさん» コメントありがとうございます!!ソヨカさんのプロフィールにURLとパスワードを送付しますね!!別作品は更新が遅くなりますが気長にお待ちください:;(∩ ˘ω˘ ∩);: (2018年9月16日 15時) (レス) id: be2936d6a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:静瑠 | 作成日時:2018年8月17日 14時