七味違う、弐 ページ27
思い出した様に敦がAを見る
「そういえば、Aさんの異能力はどんなものなんですか?」
傾げられた首に、まだ誰も云っていないのか?とAは少し驚いたが、自分が話題になることはなかなか無いか。と思い直し苦笑した。
「私は異能力者じゃ無いんだよねー」
「え」
敦は少し驚いた様に短く声を出した。
思った以上に反応が無くかったからかAも少し驚いたが様だったが。
「姉さんと弟がいたんだけど、その姉さんはね、異能力者だったよ。けど、まあ。私と弟はもう普通。まるっきりの一般人」
へら、っと苦笑するが敦を見て
「だから、異能力を持って、依頼もこなして、後始末までちゃんと出来ちゃう国木田にはもう。国木田様様なんだよね」
太宰もあんなだし、ね?判るでしょ?
その笑顔には別に何も無かった。
ただ、少し国木田に対する同情だけがあって。
それでも、敦は何らかの違和感に首をかしげた。
_____なんだろ?
特に食い違い変なところは無かった気がするが
「そのお姉さんはどんな異能力だったんですか?」
興味で出た言葉だが、今度はAがきょとん、として笑った。
「なかなか姉弟の事聞いてくる人はいなかったからなあ」
「あ、別に無理には・・・、」
慌てて遮ろうとした敦にAは手を振りながら まさか、と云う。
「全然だよ、姉さんの話なんていつぶりかな?」
と楽しそうに笑ったが
「まあ、また後で。先に仕事を終わらせようか。敦くん」
昼間なのに薄暗い路地の先にはひっそりと扉があった。
いかにも一般人の構える店ではないことは確かで
実際、今日の依頼の内容は
無許可で火器の販売を行う小さな店の実態調査。
である。
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作者名:きゅういち | 作成日時:2019年1月19日 16時