検索窓
今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:3,704 hit

七味違う ページ26

目を見開いたが、その先の景色は遮られた。


彼女が蹴り上げた机によって。










































「林A。よろしく」
「あ、中島敦です。」


ペコリとお辞儀して少し笑ったのは噂の新人虎少年君こと、敦くんである。


何度か姿は目にしたことはあったが、話すのは始めてに近い。



今日の依頼に補助として付いてきてくれたのだ。
国木田曰く『勉強の為』らしい。


「いやァ、私のとこで学べることなんて・・・うーん、無いと思うよー。」

列車も一人で乗れない私から何を学ぶというのだろうか。


そんな事〜、と笑う敦くん。うちの未成年組は死ぬほど善い子しか集まらないらしい。嗚呼、素敵だ。



「そういえば、江戸川とはもう仕事行ってたよね?敦くん」
「え、あ、はい。仕事と云って善いのか判らないですけど。僕何もやってないですし。」


何とも云えぬ表情で私を見るが、それを私は笑い飛ばす。

「そりゃ江戸川宛の依頼だしね、誰が行ってもそんな感じだよ。彼奴の独壇場なんだから」


いつもそうだしね。そう云って社から持って来た飴を口に入れる。




「江戸川はあんな感じだからさ、考えても判らない私達皆が滅茶苦茶滑稽に見えてるんだもん。しかも元の頭も善いからムカつく。」



余裕綽々で私を莫迦にする江戸川を思い浮かべて、私は顔をしかめる。

その様子を見て敦はぱちくり、と目をしばたかせた。



「ん?どうしたの?」
「あ、否・・・、なんでも無いです」


敦くんは首を振ったが、なんだろうか。


やはり目の前で江戸川の異能力を見て、尊敬の念にかられているのいるだろうか?
他の社員と同様に



ああ、絶対に付け上がるぞ。あいつ!

七味違う、弐→←六味違う、弐



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きゅういち | 作成日時:2019年1月19日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。