敬語系実況者5【最終兵器俺達】 (ページ8)

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ｷﾖ「まぁ、俺らだって大事にしたい訳じゃねぇし、なぁそうだろ？」

キヨに促されて首を縦に振る。大事にしたい訳じゃないし、ただ言われた事に関して納得いかなかっただけだ。

その様子を見て部下の人が慌てて頭を下げていた。言ってきた張本人は逃げる様に去っていき、その場は何とか収まった。

ｷﾖ「Aかっこいいー」

「棒読みですねー(笑) お騒がせしてしまってすみません」

キヨの言葉とAの返しで、嫌な空気が無くなった。2人の切り替えの速さにも驚いたし、実際さかたんがAを止めようとした所を、キヨが制止したのも見えていた。

まふ「2人ともありがとう」

ｷﾖ「別に大した事してねぇよ」

「そうですよ(笑) あっ、ちょっとコンビニ行ってきます」

そう言ってコンビニに向かったA。

ｷﾖ「アイツ、こういう集まりに来たりすんの、たまに遠慮する時あったんだよ」

Eve「えっ、どうして？」

キヨいわく、A自身が男の中にお邪魔していいのかどうかが分からず、時折戸惑う事もあるらしい。それプラス、昔ゲーム実況者の集まりで男だらけの中に誘われ、渋々行ったら嫌な思いをしたという。

ｷﾖ「さっきみたいに、女の癖にゲーム実況者なんて親の顔が見てみたい〜って言われてさ」

天月「何それ……」

ｷﾖ「結局早くに親亡くしてるから、人より苦労した分、そういう言葉に敏感なのかもな」

僕達が思っている以上に、Aは色んな思いをしてきたのかもしれない。

「ただいま帰りました！」

ｷﾖ「飲み物？」

「いや、皆さんお酒結構飲んでたんで(笑) キヨさんは綾鷹です」

ｷﾖ「俺飲んでねぇけどな」

「じゃあ私が綾鷹貰います」

ｷﾖ「いや、貰うから、あっ袋に入れんな！」

僕が遊びの誘いに誘うのは、もしかして迷惑だったのかな、なんて考えながら2人のやり取りを見ていたらAが僕の前に立った。

「まふさんは、何飲みます？」

まふ「えっ、あーじゃあこれ貰う」

「どうぞどうぞ」

みんな歩き出した中、キヨだけが僕の隣に立って口を開く。

ｷﾖ「まふお、気にしすぎんなよ。俺が言いたかったのは、昔はそう思ってたみたいだけど、最近は誘ってもらえるの嬉しいみたいだって言いたかっただけだし、てかお前がそんな顔してたら暗くなるからやめろ！行くぞ！」

そう笑って言う、キヨの言葉に僕は救われた。