敬語系実況者5【最終兵器俺達】 (ページ47)

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・キヨ

何となくTwitterを眺めてたら、Aが新しくツイートしていた。どうやら今日はドラムの練習に行っているらしい。

暇だなぁと思いながら、いい事を思いつく。Aに差し入れでも持っていってやろう。きっとアイツの事だから、休みなく練習をするんだろうなと思い、着替えて外へ出る。

甘い物が好きなAに、ドーナツを買っていく。まぁ単純に喜ぶ顔を見たくて、アイツの好きなものを買うんだけど。やっぱAはチョコレート好きだから、チョコレートのドーナツだよな。

タクシーに乗って10分程、スタジオに着いた。中へ入っていくと、ガランとしていて受付が居ない。あのバイト君居ねぇんだなと思いつつ、受け付けを待つ事に。

しかし5分待っても来る気配がない。声掛けしても誰も出てこない。そういえばここって予約が無い限り人来ねぇんだな。

入ってもいいよな、どうせ差し入れしに来ただけだし、いつも店長には中に知ってる人居るなら入っていいよ〜って言われるし。

確かAがいつも練習してんのは……ここの部屋か。でも中見えねぇ、カーテン閉められてる。もしかしてここじゃねぇのかな。ドアを開けようとするが、鍵が閉められてる。

別の部屋に行ってみようと思い、ドアの前から移動した瞬間だった。ガチャっと勢いよく扉が開いた音がしたので、振り向くとAが泣きそうな顔で部屋から出てきた。あんな恐怖に怯えた顔を見た事ないので、俺も驚く。

ｷﾖ「A！？どうしたんだよそんな顔して」

「キヨさん、助けて、下さい！」

こっちへと逃げてきたので、俺はAを受け止める。追いかける様に出てきたのは、あのバイトくんだった。Aの腕にはくっきりと掴まれた様な手形が残っている。

ｷﾖ「お前Aに何やった」

「またあんたか……」

ｷﾖ「説明しろよ、なんでこいつがこんなに怯えてんだよ！」

泣きそうな顔して、体は震えていて、呼吸は乱れている。こんな風になっているAは初めてだ。

「いっつもいっつも、俺とA先輩の邪魔をするのはあんただ！」

ｷﾖ「んな事知るかよ！てめぇ自分がやった事まともだと思ってんのか？こいつをここまで怖がらせたこと、俺がぜってー許さねぇ」

俺が声を荒らげた直後、店長がやってきた。どうやら外へ行っていたらしく、騒ぎを聞き付けて来たらしい。