敬語系実況者5【最終兵器俺達】 (ページ32)

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以前、女性ゲーム実況者の割合は本当に少なくて、人気になってもチャンネル登録者が100万人以上超えたりする事は本当に稀だと言われていた。イベント出演も、男の人に混じってやるのは珍しいって。

だからこそ、悪く言う人とか誹謗中傷は多かったらしい。今でこそこんなにも人気なAだけど、僕がAを知った頃は女性ゲーム実況者という分類はまだまだ浸透していなくて、男性よりも遥かに狭き道だったと思う。

そんな中でもAは先陣を切ってきた人物。僕は同じ場所で活動する身として、本当に尊敬する。Aが所属する最終兵器俺達の中でも中枢でAが居なければ成り立たないと、キヨが言っていた。

「まふさんだって、色んな経験があるからこそ、過去を振り返らないという言葉があって、素晴らしい音楽を作れているんだと思いますよ」

まふ「改めてAに言われると恥ずかしいけど(笑)」

「さっき、対談で楽しさを忘れたって話したじゃないですか？」

まふ「言ってたね、僕もそういう時あったし」

周りが見えなくなって、最後には自分すら見えなくなって、真っ暗な箱に閉じ込められ、それなのに変に追われる様な感覚をその頃は覚えた。

「そんな風になって日々を過ごす中で、ふと気付いたんです。私は何の為にゲーム実況者になって、何をしたかったんだろうって」

まふ「うんうん」

「最初は自分の為と一緒にやろうって言ってくれた人達の為で、楽しくゲームをしたかったからでした。でも、それに自分のゲーム実況を楽しんでくれる視聴者の人達を楽しませたいって気持ちが加わって、あぁ、自分が楽しめてないのに人が楽しんでくれる筈がないって気づいて、変われたんです」

Aがこんな風に話してくれるなんて、珍しいなぁと思いつつ、確か前にAは酔ったら普段より少し喋る様になると言っていたので、そのせいなのかな。

でも、自分が楽しめてないのに、人が楽しんでくれる筈がないって言うのは本当にその通りだ。

ファンの人は常に自分を見てくれている。だからこそ自分が楽しめてないのも、すぐに伝わってしまう。

Aの言葉は色んな事に対して刺さる言葉だ。一つ一つの言葉の重みが、Aの経験から重なるものなんだろうなと再び感じとった。