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5人で食べ物を頬張りながら、帰り道歩き始める。
フジ「Aは何食べてるの?」
「私はこーすけさんと同じピザまんです」
フジ「へぇ、あっホントだ、めっちゃピザみたいな匂いする(笑)」
そんな話をしていたら、前から見覚えのある顔が歩いてきた。Aの従兄である春樹だ。どうやら気付いているのは俺だけらしく、キヨはこーすけとヒラと話しているので気づかない。
どうしようと思いながら、歩き続ける。春樹も気づいたのだろう、こちらに目線を向けている。けれどすぐに逸らして横を通って行った。
必ずAの顔や俺達の顔を見ると文句を言ってきたのに、春樹はまるで逃げる様に居なくなっていた。
フジ「A……」
「昨日、親戚の人達と喧嘩したんです。まぁ色々あってもう関わらないって事になったんですけど、春樹兄さん自体は兄さんと大喧嘩したみたいで」
だから、今日は来た時から空元気だったのか。
「でも、だいぶスッキリしました。今回で整理がついたというか、モヤモヤが消えたというか」
フジ「そっか、なら良いんじゃないかな」
ずっと、Aが悩んでたの知ってるし、それを解決出来たなら何よりだ。
「今日は沢山遊んだので疲れましたね笑」
キヨ「疲れすぎてこたつで寝んなよ(笑)」
「さすがに今日それやったら、弟にまた怒られます(笑)」
ヒラとこーすけとは家の方向が違うので早めに別れた。キヨと俺とAの3人で、無言のまま歩き始める。ふと、キヨが口を開いた。
キヨ「そういえば、お前って高校の同級生とかと会う時ってあんの?」
「たまに同級生だけの飲み会とか声かかるんですけど、その時とかに会ったりはしますね」
キヨ「へぇ、そうなんだ」
確かにたまにこっちへ帰ってくると、飲み会に行ってるってヒビッキーから聞いてたけど。Aは昔から人に誘われる事が多いイメージだし、未だに同級生の中では中心人物なんだろうなぁ。
なんて話をしていたら、Aが雪に足を取られて転びそうになった。危ないと思って手を伸ばしたけど、俺よりもキヨの方が早かった。
キヨ「危ねぇ(笑)」
フジ「キヨナイス(笑)」
「すみません、ありがとうございます(笑)」
行き場の無い手をゆっくり下げた。
並ぶとお似合いだなって、思ってしまう。自分に自信がないからかな、いつも肝心な所で弱気になる俺の悪い所。
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作者名:明 x他1人 | 作成日時:2019年12月26日 13時