◇ ページ42
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逆転してもすぐに逆転されてしまい、俺は苛立ちが募ってアキに当たった。馬鹿にしているのかと、それほど前半と後半ではあまりにも力の差が大きかった。
けど、アキは真っ直ぐな目で俺を見て、何事にも本気で挑む、と言った。あぁ、そうかこれがコイツの人気の理由なのか。
たかがゲーム、そういう概念を崩す言葉に聞こえる。
何事にも本気で取り組む姿が、人気ゲーム実況者に登り詰めた理由なのか。
例え否定されても、ゲーム実況者としての立場に立ち続けた、いや、立つ事が出来るのはこの女の信念だ。
だったら、最後は俺もかけてみよう。残機は1つで、一発勝負で。
あんたと戦った事を、後悔しないように。
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負けてしまった。強さに圧倒されて、頑張っても勝てなかった。
俺は、相手にゲーム実況者を辞めろと言ったんだ。俺が負けたからには俺が辞めなきゃいけない。
けど、アキは俺に謝罪を要求してきた。
もしかして、元からそれが目的で？ 自分のゲーム実況者人生かけてまで、俺に謝罪させるために？
なんでそこまでして、人の為に出来るんだよ。
俺は頭を下げた、アキのファンやアキの仲間の人達への謝罪を送る。生放送が終了して、俺は椅子に座り込む。まさか負けるとは思ってなかった。正直女だから見くびってた、ゲーム実況者だからただゲームを実況して人気を得てるだけなんだろうなって。
実際兄貴がそうだったから。人への文句は人1番言うくせに、自分が否定されると逆ギレ。1番嫌な部分だったのに、いつの間にか俺は同じ事をしていたらしい。
「お疲れ様でした」
アキは部屋から出ていった。俺に何か言って来るわけでもなかった、だからこそ自分が酷く惨めに感じる。
馬鹿みたいに人に対して暴言を吐き続けて、気に入らないからって人を傷つける。そういうタイプの人間が1番嫌いだったのに。今の自分が嫌いになった。
俺はまだまだガキだ。人の気持ちも考えられずに行動して、多くの人間を巻き込んで起きながら、上手くいかない事を誰かのせいにしようとして。
だけど、元々あの人にゲーム実況者の人生を掛けさせたのは俺だ。それは紛れもない事実。
だからこそ俺は、自分の道を決めなきゃ行けない。俺がアキにしたことはしてはいけない事だったから。
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明(プロフ) - ちまさん» ちま様 一気読みしていただけるなんて、とても嬉しいです！ 引退をかけた勝負の回はどうやったらハラハラする感覚を小説で表現できるのだろうと悩んだ部分なので、褒めていただけて光栄です。 面白いと言って下さりありがとうございます。これからも頑張ります！ (2020年5月10日 11時) (
レス) id: f2c90cc64b (このIDを非表示/違反報告)
ちま - 1から一気読みしました！！！！！めちゃくちゃ面白いです！！アキちゃんの引退をかけた勝負は読んでいて自分も生放送見てる気分なってました！続き楽しみです！ (2020年5月10日 6時) (レス) id: b0d560efb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明 x他1人 | 作成日時：2020年3月4日 14時
