◇ ページ27
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「でも、ごめんなさい……フジさんの気持ちに応えられなくて」
振られるのはわかっていたけど、キツイものがある。だけどそれと同時にどこかスっと気持ちが楽になった気がする。
フジ「そっか……ありがとう。答えてくれて、これで俺もスッキリした!」
「フジさん……」
フジ「暗い顔しないで。言ったでしょ、俺はAに幸せになってほしいって」
傷付いてない、なんて意地張る程強くはないけど、後悔はしていない。
こんなにも惚れた相手が、Aで良かった。
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それからしばらくはお互いちょっと気にしてた。気にするなって言っても難しい話なんだけどね。
フジ「あっ、もしもし? A、久しぶりに冷静ラジオ撮らない?」
『あっ、はい! しばらく生放送2人でしてませんもんね』
フジ「じゃあ、日付は__」
2人の予定が空いてる日に生放送の予定を入れた。ぎこちなさは話している内になくなって、ヒラの言う通り少しわがままになれて良かったなぁなんて。
数日後に迎えたキヨと実況を撮る日。俺は撮影終わりに、キヨに伝える。
フジ「ねぇ、キヨ」
キヨ「んー」
フジ「俺さ、Aに好きだって言っちゃった(笑)」
キヨ「……はっ?」
キヨは集中して見ていたスマホから、目線を俺に移した。
キヨ「お前なんで__」
フジ「ずっと言わないよりも、言ってスッキリしたかった。悩んで、Aに心配される始末だったし」
キヨ「…………」
フジ「あっ、心配しないで、俺振られたから」
俺は笑ってキヨに言う。キヨは先程よりもより一層低いトーンで俺に言葉をなげかける。
キヨ「馬鹿じゃねぇの……お前はそれでいいのかよ」
フジ「俺はさ、これで良かったと思ってる。Aの気持ちを聞けてこれで心から応援出来るから」
キヨ「……フジ」
仕方ねぇ俺がグミ奢ってやるよ、なんて笑ってキヨが言ってくれた。あぁ、ヒラの言ってた事ってこういう事か。今まで築き上げてきた関係が、簡単に壊れる程脆くないんだ。
フジ「キヨ、キヨもいつか想い伝えなよ?」
キヨ「……考えとく」
2人でそんな話をして、実況が終わったというのにまたゲームをやり始める。
これでやっと、心から二人の背中を押せるかもしれない。
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明(プロフ) - ちまさん» ちま様 一気読みしていただけるなんて、とても嬉しいです! 引退をかけた勝負の回はどうやったらハラハラする感覚を小説で表現できるのだろうと悩んだ部分なので、褒めていただけて光栄です。 面白いと言って下さりありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年5月10日 11時) (レス) id: f2c90cc64b (このIDを非表示/違反報告)
ちま - 1から一気読みしました!!!!!めちゃくちゃ面白いです!!アキちゃんの引退をかけた勝負は読んでいて自分も生放送見てる気分なってました!続き楽しみです! (2020年5月10日 6時) (レス) id: b0d560efb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明 x他1人 | 作成日時:2020年3月4日 14時