◇ ページ11
・ヒラ
フジが珍しく2人で飲みに行こうと誘ってくれたので、支度をして待ち合わせ場所へ。フジと合流した時、どことなく元気がなさそうなのが気になった。
飲み始めは他愛も無い話を続けてたんだけど、酔いが回って来たのかフジはとある話をし始める。
フジ「俺ってさ凄い最低な奴だと思う」
ヒラ「どうしたのいきなり」
フジ「Aに昔聞いことあるんだよ、誰か好きな人居るのって」
Aの事が出た時点でそれで悩んでたのかと理解する。でも最低ってどういう事なんだろ。
フジ「そしたら居ますって言ってさ、でもその後にこの関係を壊したくないって言ったんだよ。それで何となく察しちゃうじゃん……あぁ、そっかって」
ヒラ「……そうだねぇ」
以前から気になってはいた。Aから好きな人の話など聞いた事がなかったので、今まで本当に1人も居ないのかなって。Aは元々モテるし、家庭的な所もあるので恋人が居てもおかしくない。
けど、Aは1度も恋人を作ったことがないんだよ。誰だって不思議に思うし、もしかして本当は好きな人が居るんじゃないかなって。
フジ「知ってたのに、2人の気持ち知ってたのに、俺は……自分のわがままで……」
ヒラ「フジ、自分を責めすぎだよ。よく今まで頑張ったね、辛かったでしょ」
フジの気持ちを全て理解できる訳じゃない。けど、そばで見てきたフジはどんなに苦しかったのかなって。好きな人に好きな人がいて、その相手も好意を抱いている。自分には入る隙すらないって、気付かされた時にどんなに辛かったのかなって。
フジ「ヒラは本当に優しいね……俺は伝える意味すらないのわかってたのにね」
ヒラ「フジ、自分の想いを閉じ込める必要は無いと思うよ?」
フジ「えっ?」
ヒラ「想いを伝えて終わらせるのも、ひとつの手段だし」
だってそうじゃないかな? フジが想いを伝えちゃいけないなんて、そんな事ないよ。
俺はね、想いを伝えてそれが叶わなかったとして、今まで築き上げてきた関係が壊れる様なそんな脆い関係だとは思ってない。
フジ「でもさ、気まずくなるんじゃないかな」
ヒラ「フジは苦しくないの?」
フジ「…………」
ヒラ「いいじゃん少しわがままでも」
好きな人に好きな人がいて、結末が見えている事ってどんなに残酷なんだろう。
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明(プロフ) - ちまさん» ちま様 一気読みしていただけるなんて、とても嬉しいです! 引退をかけた勝負の回はどうやったらハラハラする感覚を小説で表現できるのだろうと悩んだ部分なので、褒めていただけて光栄です。 面白いと言って下さりありがとうございます。これからも頑張ります! (2020年5月10日 11時) (レス) id: f2c90cc64b (このIDを非表示/違反報告)
ちま - 1から一気読みしました!!!!!めちゃくちゃ面白いです!!アキちゃんの引退をかけた勝負は読んでいて自分も生放送見てる気分なってました!続き楽しみです! (2020年5月10日 6時) (レス) id: b0d560efb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明 x他1人 | 作成日時:2020年3月4日 14時