15話「帰り道」 ページ15
「やあ、そこの三人組！
良ければ僕も一緒に帰っていいかな！拒否権なんて無いけれど！」
「あ、うん。全然いいよ。」
_____緑谷は思う。
心音Aという少年は、どうして不気味さを感じるのだろうか、と。
不気味に見えて、怖いと感じるのに、それが不思議と恐ろしいとは思えない。
入り組んだこの、何とも言い難い感情は何なのだろう、と。
彼の笑みは、綺麗に見える。
けれどそれは、綺麗に見えるだけで、
彼に感情が、心が読まれているのに。
彼の感情が一切読めない。
朝、爆豪が言ったことが、何となく緑谷には理解出来た気がした。
「____心音君の”個性”ってどんな能力なん？」
麗日が何気なく聞く。
その時___一瞬だが、心音の顔が曇ったように見えた。
けれどその影は一瞬にして消えて、笑いながら彼は「ノーコメント！秘密だよ」と、告げる。
麗日も、飯田も彼の曇った顔には気付いていないようで、心音と談笑を楽しんでいた。
「ヒントは「機械の測定を狂わせる事が出来て」、「他人の行動を止めることが出来て」、って感じかな。
____全部今日のテストでやったことなんだけどね。本当は他にも出来ることはある、んだけど……緑谷君？」
心音が話す中、緑谷の呆けた表情が気になり彼を呼び掛ける。
放心状態、ではなく。
考え事に夢中になっていた彼は我に返ったように「っ！ななな、あ！はい！！」と、動揺しまくっていた。
麗日と飯田はそんな緑谷に笑う。
心音は、そんな緑谷に____
「
そう聞いた。
気付いている……！！？
緑谷にはすぐにわかった。
自分が今、彼にどんな感情を持っているのか、彼に今どんな疑問を持っているのか、全て。彼には手に取るように分かっているんだと。
言葉がつまり、「あ……え、…」と何も言えなくなる。正直に今話したら、駄目だ。と、緑谷の中の危険信号が告げる。
………そのまま何も言わなかった。
そうすれば、収まると直感が告げていた。
「………ま、何も考えないのが得策だろうね。」
緑谷の方に近付き、緑谷だけに見える向きで、心音は、笑みを消してそう言った。
「あ、僕ここで曲がらないといけないから。じゃあね、また明日！」
そしてくるりと表情を変えて、心音は別の話題、というより逃げるかのようにそう告げ、別れた。
____ああ、彼はやっぱり分からない。
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ロロロ(プロフ) - 赤字さん» ありがとうございます！ (2018年4月28日 21時) (
レス) id: fc1c559d12 (このIDを非表示/違反報告)
赤字 - 面白いです♪ (2018年4月28日 20時) (レス) id: b278d1cf65 (このIDを非表示/違反報告)
ロロロ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！修正しました！ (2018年4月28日 18時) (レス) id: fc1c559d12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ２２ページの爆豪が爆轟になってるんですが…更新、待ってます！ (2018年4月28日 18時) (レス) id: 269a2a006a (このIDを非表示/違反報告)
ロロロ(プロフ) - 涼花凛娘さん» コメントありがとうございます！物間くんの……親戚かもですね((体育祭編まで時間がかかりそうですが気長にお待ち下さると嬉しいです……！！頑張ります！！ (2018年4月28日 12時) (レス) id: fc1c559d12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロロロ | 作成日時：2018年4月18日 15時
