恋が始まる気がしない！ (ページ8)

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午後になって、頭痛薬(自分で持ってきたやつ)を飲んだおかげでだいぶ楽になった。

一服しようとコーヒーを淹れて歩いていると、急に立ち上がった勢いで転がってきた椅子が足に当たった。

『熱っ！』

｢わっ！ぶ、部長！申し訳ございません！｣

少しこぼれたコーヒーがシャツに染みを作って、直に思いきり浴びた指先がヒリヒリする…

とりあえずロッカーに着替えがあったはずだし
念の為持っててよかった

『掃除しといてくれる？』

｢は、はい！もちろんです！｣

頭痛が楽になったとはいえ、怒る気力もなくてそのままロッカーへ向かった。

『…あれ、無い』

この際Tシャツでもいいから欲しい。

仕方ない
染みを隠して臨時の服でも買いに行くか

YG｢え、サボり？｣

『うわっ』

ロッカールームを出た途端に居た社長があからさまに顔をしかめる。

『そんなに暇じゃないですから。服が汚れたので買いに行ってきます』

YG｢わざわざ？俺のTシャツなら貸せるけど｣

社長のTシャツだと？

不仲じゃないとはいえ、元彼の服を借りるというのはなんか抵抗あるな…

YG｢取ってくるからそこで待ってろ｣

『…ありがとうございます』

わざわざ買いに行く面倒くささには適わず、結局受け取って有難く借りることにした。

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