恋が始まる気がしない！ (ページ1)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:13,033 hit

1 ページ1

.

｢部長、資料チェックお願いします｣

『…なんでこんな書き方なの？人に見せる気ある？』

｢それは…前に部長に教えて頂いて、｣

『臨機応変にするってことを知らないわけ？あの時と今回は全然趣旨が違うでしょ』

縮こまって肩を落とす部下。

深いため息をついて、自分の仕事に取り掛かろうとパソコンに向かう。

｢あ、あの…部長！｣

『何？』

今度は何だと顔を上げると、新入社員のパクジミンだった。

JM｢この間の発注ミスの件、本当に申し訳ございません！！｣

バッと深く頭を下げて、すごく言いにくそうに口を開く。

JM｢それで、その…今朝コピー機を壊してしまいまして…｣

『うそ、聞いてないけど』

あわあわしてはいるけど誤魔化し方がわからないようで、素直に謝る。

『なんでその時言わないのよ』

JM｢そ、それは…お忙しそうだったので｣

『はぁー…あのねパク君』

毎朝のように何かやらかしてくれるパク君は
それ相応に私にいびられ続けている。

同期達はどんどん仕事を覚えていく中、ミスが目立つのはパク君ぐらいだ。

『こうやって説教する方が時間の無駄なの。とやかく考える前に報告、わかった？』

JM｢はい！｣

返事だけはしっかりしてるせいでそれ以上言う気になれなかった。

『もういいわ。次から気をつけて』

すっかり縮んでしまったパク君の横を抜けて
トイレに向かう。

.