sweet honey* (ページ5)

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Part4 ページ5

▽

それからはあまり記憶が無い。

ただただ楽しくて、時間はあっという間にすぎてしまった。

なるせ｢もう結構暗くなってきましたね｣

『そうですね』

彼の言葉にはそろそろ解散しようという意味が含まれているのだろう。

やだな、まだ帰りたくない。

なんてわがままを言っても意味が無いことは知っている。

『そろそろ帰りましょっか』

なるせ｢……そうだね、夜は危ないし｣

それから私たちは何も話さずに駅まで歩いた。

その時間は不思議にも心地好かった。

なるせ｢何分の電車？｣

『えっと、あ！あと3分で電車来ちゃう！！』

なるせ｢3分！？wここから走っても間に…合わないか｣

『どうしよう……』

しゃがみこみ、頭を抱える。

そんな時彼が言った。

なるせ｢…俺ん家、来ますか？｣

＊

なるせ｢適当に座ってて｣

『は、はい…』

適当ってどこにいるのが適当になるの！！

と、とりあえずテーブルの近くに座ってよう。

……落ち着かない。

ていうか、よく考えたら炎上案件じゃない？

お互い活動者だし、恋人でもないのにお泊まりするなんて…。

な、なんか悪いことしてる気がしてきた。

やっぱりホテル探した方が……

なるせ｢お待たせー｣

なるせさんの突然の声にびっくりし、肩が跳ねる。

彼はお茶や軽いお菓子を持ってきてくれた。

『すみません、急にお邪魔してしまって』

なるせ｢全然いいよ。それよりこれ食ってみ？まじ美味いから｣

彼は1枚のクッキーを私に差し出してきた。

『！すごい美味しい！』

なるせ｢でしょ？良かったら持って帰って｣

『え、良いんですか？』

なるせ｢うん、沢山あるから｣

『ありがとうございます。ふふっ、やった』

手に取ったクッキーを見つめる。

なるせ｢うん、そっちのが良い｣

『えっと？』

なるせ｢タメ口のがnagiさんらしい｣

優しく笑いかける彼に目を奪われそうになるが、顔を逸らし何とか免れる。

危ない危ない…。

『えっと、考えておきます…』

なるせ｢あ、お風呂先に入っていいよ｣

『何から何までありがとうございます』

なるせ｢だからいいってw着替えはドア前に置いとくから｣

『…うん、ありがとう。じゃ、じゃあ入ってきますね！』

タメ口、なるせさんに使うの慣れないな…。