決意 ページ8
コナンが暗い表情で俯いたまま首をふる。
それを見た小五郎おじさんは「くそっ!」と拳をテーブルに叩きつけた。
「…今夜10時までに事件を解決し、真犯人を見つけだしてくれれば好きなだけ探偵料を差し上げましょう。しかし、時間内に解決できなければそのIDを爆発させ…「あの男の元へ連れていけ!今すぐにだ!」
依頼人の言葉を遮り、もう我慢ならないといったふうに高田さんの胸ぐらを掴みあげる小五郎おじさん。
掴みかかられた方である高田さんは、どこか余裕そうに見えた。
「…無理ですよ。私もどこに居るのかまでは知らないのですから。」
「なんだと!?」
何処にいるのか分からないのか…。
それなら、通報したって無理そうだな。…いや、まず監視されてるのだから下手なことしたらそのままIDを爆発させてしまうかもしれない…。
そんな風に私が頭をフル回転させていると、頭に血が上って興奮状態の小五郎おじさんを依頼人が戒めて、GPSが着いていることや警察署に駆け込んでも無駄だということを告げた。
「爆破スイッチを押すってことか、貴様!」
「長話は時間が無駄になるだけだ。第1のヒントをこれから出す。1度しか言わないからよく聞け。」
いきなり口調の変わった依頼人に少し戸惑いながらもメモを取り出そうと思ったが、既に横でコナンがペンとメモ帳を手に持って待機していたのでその手を引っ込めた。
「TAKA3ー8」
スラスラと書いていくコナンを見た後、小五郎おじさんが依頼人に向かって叫ぶ。
「なんの事だ!もう1度言ってくれ!」
「1度だけだと言ったはずだ。」
あくまでもこれは私の推測に過ぎないけれど、小五郎おじさんが「もう一度」と言ったのは少しでも話させて依頼人の言葉から情報を集めるためだと思う。
依頼人が口を開くと同時に、午前10時を知らせる鐘が鳴る。
「タイムリミットまであと12時間。…さあ、謎を解決してもらおうか。私のため…そして、子供たちのためにね。」
そう言って画面は暗くなる。
…12時間か、なんの事件か調べるのも含めると…。解決出来たとしてもギリギリ、かもしれない。もしかしたら出来ないってことも…。
そこまで考えて、この考えを打ち消すように首を振る。…出来るかじゃない、解決しなくちゃいけないんだ。子供たちのために。そして……
蘭と新一のために。
『(2人の幸せは、私が守らないと。)』
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あまね(プロフ) - めさめさすきです! (12月29日 23時) (レス) @page23 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
CHARA - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月10日 14時) (レス) id: c3eefd4712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - さあ、これからどうなるの、らんやコナン彼女ちゃん事件解決できるか、コナンと彼女次回は楽しみにしてます (2019年12月3日 8時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - かなさん» ありがとうございます!夢主ちゃんと新一は、絶賛両片思い中ですね。私自身、両片思いって大好きなんですよ笑笑。でも2人がくっつくと蘭が…てことでちょっと切ないですよね。応援ありがとうございます!楽しみにしていてください! (2019年6月21日 20時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - この作品大好きです!いつも更新楽しみにしてます!夢主と新一がどうなるのか、とても楽しみです!頑張ってくださいね! (2019年6月21日 7時) (レス) id: e7431ce181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作成日時:2019年5月19日 11時