しのびよる影 ページ17
『ここに何があるんだろうね……。』
博士の造った道具のおかげで、数分で馬車道に着くことが出来た。……でも、こうして見る限りこれといって変わったことはなさそうなんだよな。
私がキョロキョロと周りを見ていると、いきなりコナンが腕を引っ張って細い道に連れ込む。
『わ、なに？コナン。』
｢いいから、黙ってろ。｣
コナンは私にそう言うと、馬車道の方の様子を伺うように見る。
私も馬車道を見ようとぐっと足を踏み込んだ。
…否、踏み込もうとした。
『いやあああああああっっ！！？』
＿＿＿ドスッッ
突然の悲鳴と鈍い音に、私の前にいたコナンが目を見開いてこちらを振り向く。
コナンの視界に入ったのは私の肩に置かれた誰かの手。
コナンの身長では私の後ろにいるのが誰だかわからなかったのだろう。
｢くそっ……！Aを離っ……て、お前かよ？｣
『…へ？』
呆れたような目で私の後ろを見るコナン。
……とりあえず、コナンが焦ってないってことは安全な人なのだろう。
そう思って後ろを振り向く。
『……ってあんたか、平次くん。』
｢なんや、俺やったら不満みたいな言い方やなぁ。｣
｢…さっきの音はAが服部を殴った音だったのか。｣
『あー、ごめんごめん。ついビックリしちゃって。』
さっきの“ドスッッ”という鈍い音。
驚いたと同時に無意識に出した拳が、偶然平次くんの腹部にクリーンヒットしたらしい。
当の彼は、ピンピンしているが。
｢これが探偵事務所の姉ちゃんやったら危なかったのぉ。Aでよかったわ。｣
『ハイハイ。どうせ非力ですよー、』
｢そこまで言うてないやろ？｣
いつもいつも私につっかかってくるこの男は、服部平次。
新一が東の高校生探偵と呼ばれているのに対して、平次くんは西の高校生探偵と呼ばれ称されている。
前世でも和葉ちゃんと平次くんの距離感にやきもきしたっけなぁ。
｢ちょうどええところで会うたわ。ちょお知恵貸せや。｣
｢…はあ……。｣
『あのね、私たちも急いでるんだよ？』
左手でシッシッとやると、平次くんが目を見開く。
｢なんや、お前らもか？｣
｢なっ…、“も”ってことはお前もか？服部？｣
｢ああ。和葉を人質に取られてしもた。｣
ほら、と袖をまくる平次くん。その腕を見れば、私たちと同じIDがしっかりと着いていた。
今日は、2人で遊びに来たらしい。
…てことは和葉ちゃん、1人でまわってるのかな？
蘭たちと上手く会ってればいいけど…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 960人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - めさめさすきです！ (12月29日 23時) (
レス) @page23 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
CHARA - 面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月10日 14時) (レス) id: c3eefd4712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - さあ、これからどうなるの、らんやコナン彼女ちゃん事件解決できるか、コナンと彼女次回は楽しみにしてます (2019年12月3日 8時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - かなさん» ありがとうございます！夢主ちゃんと新一は、絶賛両片思い中ですね。私自身、両片思いって大好きなんですよ笑笑。でも2人がくっつくと蘭が…てことでちょっと切ないですよね。応援ありがとうございます！楽しみにしていてください！ (2019年6月21日 20時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - この作品大好きです！いつも更新楽しみにしてます！夢主と新一がどうなるのか、とても楽しみです！頑張ってくださいね！ (2019年6月21日 7時) (レス) id: e7431ce181 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華 | 作成日時：2019年5月19日 11時
