違和感 ページ4
『…コナン、どうしたの?』
皆が落ち着きなく部屋を見渡す中1人だけ考え込んだようにイスをじっと見続けるコナン。
私がコナンにそう問えば、みんなの視線がいっせいに私たちの方に集まる。
「…このイス、なんかあってないよね?この部屋に。」
『え?うーん…。そう言われてみると、たしかに。』
…確かにこの部屋にこんなシンプルなイスは合わない気がする。でも、そこまで気になる事かな?
「予算ケチったんじゃねーの?」
「そんなわけないじゃないですかー!こんな豪華なホテルなんですよ?」
子供たちの会話を微笑ましく思っていると、トビラが開いて高田さんが入ってきた。
高田さんが押しているワゴンの上に何かが乗っている。…形からして、時計…?
「…お待たせしました。これを渡すために、お子さん達にも来て頂いたんですよ。」
そう言って一人一人“それ”を丁寧に配る高田さん。それを手にした光彦くんが観察しながら口を開く。
「一体なんなんですか?これ。」
「それは、ミラクルランドのフリーパスIDです。」
『へっ!?それって、これ付けてればなんでも乗れるってことですか!?』
「そういう事になりますね。」
なんて気前がいいんだ!!
高田さんの言葉に子供たちよりも早く反応しちゃったからコナンと哀ちゃんの「子供かよ」って視線が痛いけど…。仕方ないじゃんね?遊園地大好きなんだから。
「毛利さんが仕事をしている間、子供たちにはミラクルランドでたっぷりと楽しんでもらおうと思いまして。」
「もしかして、依頼主はここのオーナーでなのですか?」
「いえ、このスイートは年間契約で借りていますが…。」
「ほぉー?大したもんだな、」
高田さんと小五郎おじさんの会話を聞きながら、苦笑いを零す。…哀ちゃんがさっき言ってた冗談、本当だったね。
そう思ってコナンと哀ちゃんを見れば2人も同じことを思ったようで苦笑していた。
「皆さん腕につけてください。無くしてしまうと再発行は出来ませんよ。」
高田さんの言葉を聞き、みんな一斉にIDを腕につける。
「?…毛利さんもどうぞ。」
一向につける気配のない小五郎おじさんを見て不思議に思ったのか怪訝な顔で高田さんが話す。
「いえ、私は遊園地には行きませんから。」
「そんなこと仰らずに。早く仕事が終われば皆さんと一緒に楽しめますから。」
「…そうですか?」
…なんだろう、この違和感。
何だか無理やり押し付けてるみたい。
『(…気のせい、だよね。)』
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あまね(プロフ) - めさめさすきです! (12月29日 23時) (レス) @page23 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
CHARA - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月10日 14時) (レス) id: c3eefd4712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - さあ、これからどうなるの、らんやコナン彼女ちゃん事件解決できるか、コナンと彼女次回は楽しみにしてます (2019年12月3日 8時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - かなさん» ありがとうございます!夢主ちゃんと新一は、絶賛両片思い中ですね。私自身、両片思いって大好きなんですよ笑笑。でも2人がくっつくと蘭が…てことでちょっと切ないですよね。応援ありがとうございます!楽しみにしていてください! (2019年6月21日 20時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - この作品大好きです!いつも更新楽しみにしてます!夢主と新一がどうなるのか、とても楽しみです!頑張ってくださいね! (2019年6月21日 7時) (レス) id: e7431ce181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作成日時:2019年5月19日 11時