言い争い ページ20
耳をつんざくような爆音が聞こえる。
それと同時に聞こえたのは、人々の悲鳴。
そして_「横溝くん!大丈夫か!?」
目暮警部の、切羽詰まった声だった。
目を凝らしてみれば、黒煙の中にうっすらと見える横溝刑事の姿。……どうやら、爆発から子供を庇ったようだ。
『(嫌気がさすなあ……。)』
横溝刑事は、子供が危ないとわかったら直ぐに動いていた。横溝刑事よりも、私の方があの人形に近かったのに。……なのに私は、動けなかった。
ただ、爆発をここからじっと見ていただけなのだ。
私がもっと早くに気づいてたら、横溝刑事は怪我しなくて済んだのに。
私が____「…A姉ちゃん?」
急に名前を呼ばれてハッとする。
そちらを向けば心配そうな顔でコナンが私の顔を覗き込んでいた。
「どうしたの、さっきからボーッとして?」
『ううん、なんでもないよ。ただいきなり爆発したんで驚いただけ。』
心配しないで、というふうに微笑めば不服そうな顔をしながらも「そっか……。」と言って引き下がっていく。
分かってるんだろうな、新一は。
昔から、私の考えることなんか新一は全部お見通しだもんね。
サイレンの音がして道の先を見れば、救急車がこちらへ向かってきていた。
知らない間に、白鳥警部が呼んでくれていたらしい。
『横溝刑事、大丈夫かなぁ…。』
「命に別条はないって救急隊員さん達も言ってたし大丈夫じゃな…「はっきりいって迷惑なんですよ!もう付きまとうのは辞めてくれませんか!?」
突然の怒鳴り声に後ろを向けば、目暮警部と小五郎おじさんが言い争いをしていた。
「…刑事やめて正解でしたよ、長生きしたいですからね。」
…なんて嫌味を言う小五郎おじさんに、目暮警部は言葉を詰まらせたようだった。
『…!』
先を進んでいく小五郎おじさんの背を追いながら、考える。
今、なにか警部に渡した?
紙切れか。小五郎おじさん、きっと蘭たちのこと警部たちに頼んだんだろうな。
娘が絡むとこうやって頭が回るんだから……。
「…蘭のことは、警部殿に任せた。」
「それが吉と出るか凶と出るかは俺たちの頭次第やけどな。」
「…で?そっちはどうなんだ?」
小五郎おじさんがそういったのをきっかけにこれまでの情報を共有する。
4月4日に現金輸送車がこの馬車道で襲われたこと。
怪盗キッドが、深山美術館からダイヤを盗んだ日でもあること。
小五郎おじさんはそれを聞くと「無理すんなよ」と言って横断歩道を渡って行った。
961人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - めさめさすきです! (12月29日 23時) (レス) @page23 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
CHARA - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月10日 14時) (レス) id: c3eefd4712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - さあ、これからどうなるの、らんやコナン彼女ちゃん事件解決できるか、コナンと彼女次回は楽しみにしてます (2019年12月3日 8時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - かなさん» ありがとうございます!夢主ちゃんと新一は、絶賛両片思い中ですね。私自身、両片思いって大好きなんですよ笑笑。でも2人がくっつくと蘭が…てことでちょっと切ないですよね。応援ありがとうございます!楽しみにしていてください! (2019年6月21日 20時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - この作品大好きです!いつも更新楽しみにしてます!夢主と新一がどうなるのか、とても楽しみです!頑張ってくださいね! (2019年6月21日 7時) (レス) id: e7431ce181 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華 | 作成日時:2019年5月19日 11時