堕天使なカノジョ。/からあげ ページ5
─
[ ごめん。今、急ぎの仕事が入った。
だから明日のデートなしにして欲しい。
埋め合わせは必ずする。
誕生日なのに、本当にごめん。 ]
誕生日の前日に彼氏からこんなLINEを受けた私の気持ちは酷く荒んでいた。
だから…
「もしもし?今電話大丈夫?」
「うん、大丈夫だよっ。どうしたの?」
” 彼氏じゃない ” 彼に、電話をして助けを求めた。
「明日、何も予定ないって言って」
「え?まぁ、ないけど。
A明日はそらるさんと誕生日デートじゃなかったの?」
「そうだったんだけど…急な仕事が入ってダメになっちゃった」
「そっかぁ。それは残念だね。
じゃあ…俺とデートする?」
「する」
「じゃあ、明日昼過ぎからどう?」
「うん、わかった」
「13時に迎えにいくね」
「はーい。ありがとうね、まふくん」
「ううん。俺の方がAと会えるの嬉しいから」
「…例え、そらるさんの穴埋めであってもね。」なんて、付け足す彼に返す言葉が思い付かない。
から、「じゃあ、また明日ね」と半ば無理矢理電話を切った。
そしてそのまま、ベッドへダイブ。
…何だか、とても複雑な気持ちだったから。
そらるさんが彼女の私より仕事を優先した事。
それが悲しくて、まふくんに縋った事。
何より1番複雑なのは…
彼氏が居るにも関わらず、自分の誕生日を ” 浮気相手 ” と過ごす。
という事。
「…はぁ、」
最早、溜め息がでる。
自分自身があまりにもクズに思えて。
でも、そうさせたのは…そらるさん、だ。
そらるさんはいつも私の事は二の次三の次。
─ 私、そらるさんの彼女なのに…っ。
仕事、友達、家族。全てに負けてしまう、彼女。
…それが私。
だから、基本全ての事を私ファーストで考えてくれるまふくんに心を揺さぶられ、流されてしまった。
まぁ…こんな御託を並べた処で、クズな事には変わりないんだけど。
それでも… どうしても責任逃れしたくって。
「そらるさんの、ばか…っ」
私は最低な独り言を吐いて、枕に顔を埋めた。
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なの(プロフ) - 本当に本当にありがとうございます。感謝しかないです…こんなに素敵な誕生日は初めてです…ホントはもっと早く送りたかったけどずっとチキってました。すみません…みんな大好き!! (2021年11月14日 1時) (レス) id: d994763904 (このIDを非表示/違反報告)
らむちゃ - すごい好きです(((*≧艸≦)ありがとうございます! (2021年10月13日 20時) (レス) id: def79cd7ab (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 大好きな作者さまたちの最高の作品でした。本当にありがとうございました。 (2021年10月4日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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